流麗にして壮大、優美にして激烈! 2台ピアノに生まれ変わった不朽の三大映画音楽集
ピアノ編曲、特にオーケストラから2台ピアノへの編曲は、楽曲の迫力そのままにピアニズムというスパイスが効くことで、馴染みの曲ですらも違った一面が見える様になる。ピアノ編は巨大な管弦楽の代用品ではなく音楽のもう一つの切り口でもある。そして21世紀にもなるとこの手法は僕等をまたユニークな方面へと誘うことになる。
自身も作曲家にしてピアニストでもあるアンゲラン=フリードリヒ・リュール=ドルゴルキー。自らが編曲を手がけた3つのジョン・ウィリアムズ作品集が登場。もはや映画音楽の域を超え世界中で愛されるオーケストラの響きがピアノで彩られることにより新たな命が吹き込まれる。
「エピソードVII」「ローグ・ワン」の登場で更なる盛り上がりを見せる 「スター・ウォーズ」。20世紀FOXのファンファーレ(もちろん2台ピアノ編)から始まり、「王座の間」「帝国のマーチ」といった「エピソードI~VI」全編に渡って選曲された珠玉の16曲。
壮大な楽曲で恐竜たちの世界の雄大さと恐怖を描いた「ジュラシック・パーク」。メインテーマの優美な旋律は美しく歌われ、ラプトルの緊迫感は鬼気迫る和音で鳴り響く。こちらはジョン・ウィリアムズが音楽を手がけた第1作目と第2作目「ロストワールド」から選曲されている。
そして原作の完結やテーマパーク化など今なお話題が尽きることのない「ハリー・ポッター」。こちらも同じくジョン・ウィリアムズが全面的に音楽を手がけた初期三作の「賢者の石」「秘密の部屋」「アズカバンの囚人」から21曲を選曲。また“魔法使い”つながりでP.デュカスの「魔法使いの弟子」も最終トラックに収録されているのも面白い。もちろんこちらもリュール=ドルゴルキーによる2台ピアノ編曲版である。
なおこの3タイトルに加え2台ピアノ編曲の「展覧会の絵」、2種の「禿山の一夜」を収録したムソルグスキー作品集も発売される。2台ピアノという魔法に心ゆくまでかかってもらおう。