プリンスに捧げる『Girl Meets Boy』の構想は持ち越し中のようだが、今年の6月7日に“America”のカヴァーを公開して愛を見せたシーラE。それも含む新作は社会的なメッセージを持つ楽曲中心のカヴァー・アルバムで、あえて“Yes We Can Can”をやっている点やジャケからも、こちらのテーマを優先した意図は明白だろう。リンゴ・スターがドラムを叩く“Come Together”、フレディ・ストーンの歌う“Everyday People”、ジョージ・クリントンとの“One Nation Under A Groove”、ブーツィーとのJBメドレーなど原曲に縁のあるビッグネームも迎えた内容は総じて賑やかでファンキー。エディMが歌う“Inner City Blues”などバンド・メンバーたちの見せ場もあり、ライヴを観るような感覚で楽しめる快作だ。