エラートレーベルが誇る2つの素晴らしい弦楽四重奏団、エベーヌとアルテミスの子孫にも喩えられた若き気鋭のアンサンブル、カルテット・アロドのデビュー・アルバム。「若さ」という言葉からイメージされるエッジの効いた演奏は期待通りで、同じく「若いロマン派」であるメンデルスゾーンの疾風怒濤的な激しさとマッチしているが、さすがはミュンヘン国際コンクールの覇者、それだけではない。彼らの真の魅力は知的さと繊細で緻密な表現にあり、それらはフガートを含むOp.13の終楽章やOp.81-3のような音楽で最大限発揮される。彼らがメンデルスゾーンを選んだのは、実に正しい選択だったといえるだろう。