GANG PARADE keeps lifting you higher!!
我等友情永久不滅也? 愚連隊行進のニュー・アルバムが嵐を巻き起こす!!
ワルい感じです
スケバンをモチーフにした奇抜な衣装に身を包み、現体制では初となる気合いバリバリなニュー・アルバム『GANG PARADE takes themselves higher!!』を完成させたGANG PARADE。去る11月20日にはLIQUIDROOMでのワンマンも敢行し、さらなる飛躍を狙う7人ですが、その新たな武器となるのが今回の新作なのは言うまでもありません。
――最初の2曲だけ聴くと、〈どんなアルバムなんだ?〉みたいな感じですよね(笑)。
ココ・パーティン・ココ「確かに。いちばんゴリゴリの2曲が最初にくるから」
アヤ・エイトプリンス「そうですね。1曲目の“イミナイウタ”は、歌詞もホントに意味がないので、とにかく楽しくいろんな言葉をみんなで言ったり、テキトーに歌ったり、ワーワー騒いだりして、レコーディングも一発録りみたいな感じでした」
ココ「あれだね、歌詞がどうこうって話じゃないってことだね、もう」
――みんな〈ノド大丈夫?〉みたいな歌い方だし、音もレイヴというか、騒々しいというか。驚く人も多そうですね。
アヤ「そうなんです。いままでになかったクラブのノリというか、ハウスというか、そんな音楽で、ライヴでどうやって観せるのか考えたいし、お客さんがどういうふうに楽しむのかも楽しみな曲です」
――それに続くのがリード曲“GANG PARADE”です。これまたオラオラ系のEDMロックみたいなナンバーで。
キャン・マイカ「ワルい感じです(笑)。歌詞は〈嵐を巻き起こすぞ〉みたいなテーマでみんな書いたものを持ち寄ってて、私はサビとかの歌詞がまんま採用されました。いままでグループ名の入る曲はギャンパレになかったし、あと前作から衣装に〈愚連隊行進〉って刺繍が入るようになったので、歌詞にも入れたらおもしろいなって」
――振付は今回もマイカさんですよね。
マイカ「はい。これは〈愚連隊行進〉で軍隊みたいな感じを出してみんなで行進する振りとかも入れてて。衣装もスケバンってことで、そういうイメージと曲調と衣装と全部マッチできたかなって思ってます」
――でも、そうやってアルバム曲の振付けを一気に作るのって大変そうです。
マイカ「う~ん、ビックリしました(笑)。同じ時期に考えるとどうしても振りが似てきちゃうから試行錯誤で。ただ、ベースは考えるんですけど、みんなでスタジオに入ったら何かおもしろい案とかが飛んでくるんで、このメンバーは」
ユメノユア「何か、音が鳴ればとりあえず動けるんですよ、ココとドクは」
マイカ「そう、超テキトーに踊ってて、〈それいいじゃん!〉みたいなのが出てくるし。そういうとこはみんなで作れたら、みんなライヴでも気持ちが乗るかなと思って」
ココ「みんな同じぐらい時間がないのに、流石に任せっぱなしだとマイカだけ重荷になっちゃうじゃないですか。うちら、けっこうアイデアがんばって出すもんね」
――いい分担になってるんですね。一方で作詞だと今回はユユさんが目立ってます。
テラシマユウカ「嬉しいです。今回2曲作詞したんですけど、前のシングルの“ペニンシュラ”では自分の気持ちとかまったく入れてなかったので、今回は自分の考えてることを書いてます。“Are you kidding?”は私的にもちょっと過去イチの作詞ができたと思ってて、書き上げた時、これ採用されるなって思いました(笑)。パッと聴いた感じは楽しそうだけど、エモい系?みたいな」
――“Are you kidding?”は、〈行かなくちゃ〉とか〈私らしい「i」を〉とか、BiSに対する気持ちかと思うんですけど。
ユウカ「デモのサビを聴いたときに〈行かなくちゃ〉ってフレーズが絶対に入ると思ったんですよ。だからそこから広げて……なりたいようになれなくても努力してそれに近付けるようにとか、他人のイメージ通りに生きるんじゃなくて、もっと自分らしく生きたいなって思って書きました」
――曲調が明るいから、ちょっと重めの歌詞もいい感じに響きます。時期的にはいつ頃に作詞されてたんですか?
マイカ「〈サマソニ〉出たぐらいかな?」
ココ「そうそう、8月の中旬から末ぐらい。前のBiSオーディションから1年経った頃」
ユウカ「そう、ちょっと1年前を思い出してセンティメンタルな時期やったんですよ。ちょうどいい時期に書けたなと思って(笑)」
――ユユさんが作詞してる2曲が繋がってるような気がしてて、“Are you kidding?”は呪いがかかった状態で、もう1曲の“I need you I love you I want you”はそこから解放された後の状況みたいな。
ココ「あー、素敵、素敵」
ユウカ「えっと、“I need you I love you I want you”は、〈私からみんなに〉みたいな感じで、ギャンパレのみんなや渡辺さんとかに思ってること、感謝を書きました」
ヤママチミキ「“I need you I love you I want you”は、全体的な世界観みたいなものが〈この曲はテラシマユウカが作詞しましたよ〉っていうのが出てる気がして、めっちゃユユなんですよ。何か、キレイな曲だなって思います」
ココ「わかる」
ミキ「ふわっと、ふんわりしてる感じの曲調も相まってるのかもしれないんですけど、言葉選びとかも全部ユユの世界って感じ。でも、歌詞はギャンパレみんなに通じるものがあるのが凄くいいし、だからこそレコーディングでもちゃんと気持ちを込めて歌えたなって思ってて。ただ、サビを歌うのが大変です、高くて(笑)」
――全体を聴いて、この曲がいちばんギャンパレっぽい。
ミキ「ギャンパレ感ありますよね。曲調とかはそんなにない感じだったかもしれないけど、それでもこの曲をギャンパレっぽくしてくれてるのがユユの歌詞なんだなと思って聴いたりしてます」
――こちらも凄く良い、温かい詞ですね。
アヤ「はい、彼女は天才です」
ユウカ「最近いっつも取材で言うキメ台詞なんですよ、アヤの(笑)」
アヤ「え、ホントに、“Are you kidding?”の歌詞を見ただけで、私はちょっと泣きそうになっちゃって。それぐらい心が揺さぶられるなと思って」
――〈行かなくちゃ〉ってアヤさんが歌ってるので、ハッとしてしまいました。
ココ「ああ、なるほど」
アヤ「そう……そこ、思いました」
――ともかく、この2曲がアルバム全体をまとめてる気もして、いちばん好きですね。
ココ「おおー!」
ユウカ「え、嬉しいです」
――天才ですね(笑)。
アヤ「はい、彼女は天才です(笑)」
新しいフィールドで戦いたい
――で、作詞といえば、“TIE”でドクソンさんが初めて詞を書かれています。
ユイ・ガ・ドクソン「いやあ、長い道のりだったんですけど、とうとう、ようやく採用されまして」
――この内容は前に渡辺さんに〈言葉が薄っぺらいからダメ〉って言われたこととかを踏まえて書かれてるんですよね。
ドク「そうなんです。基本的に昔の自分のダメだったところを思い出しつつ、今と、これからの気持ちをちょっとずつ入れましたね。まあ、このメンバーはみんな、ついつい強がっちゃう時が多いので、この歌詞を自分のことのように感じてほしいです」
6人「はい、わかりました(笑)」
ドク「はい、サビの〈一歩でも踏み外したら死〉っていうのは崖の上にいるイメージなんですけど、『Barely Last』のジャケもそうだったし、私たちは崖にいるのが必然なんです(笑)」
――ギャンパレはいまも崖っぷちにいる?
ドク「崖っぷちの状況というよりは、そういう極限の状態で出る力みたいなのを毎回出したいな、みたいな気持ちです」
――はい。一方で、新しい試みとして“普通の日常”はユアさんが作曲されてます。
ユア「そうなんです。SCRAMBLESさんからトラックだけのデモを30曲ぐらい送っていただいてて、好きなの選んで、メロディーを作ってみて、っていうコンペみたいな感じで挑戦して、採用してもらいました」
マイカ「全員3つずつぐらい出して、唯一ユアが採用されたんです」
ユア「自分でメロディーとか考えたことは全然なかったけど、おもしろかったです」
――逆に作詞はユアさんじゃなくて竜宮寺育さんなのもおもしろいですね。女の子より女の子っぽいっていう。
ユア「ね、かわいい歌になって嬉しいです。自分も詞は書いて出してたんですけど、竜宮寺さんが〈良い曲だったから歌詞を書きたくなった〉らしいです(笑)」
ミキ「ユアをイメージしたって聞いたよ、竜宮寺さんに」
ユア「そうなんだ? それは嬉しい」
――これも新しいチャレンジで。こういう柔らかい曲は振付も難しそうですけど。
マイカ「それがですね、“普通の日常”はギャンパレの滲み出る仲の良さがライヴでさらに伝わるような振りになってます(笑)。悩んでた時にココがフォークダンスの話をずっとしてて、〈コレいいんじゃない?〉ってフォークダンスを採り入れて」
ココ「〈コロブチカ〉。私、中高一貫校だったんですけど、冬の授業で絶対フォークダンスやってたんですよ、6年間。それで冬になって、めっちゃフォークダンスやりたがってたらマイカが入れてくれました」
ユア「やってて楽しくて、何か、練習中にもみんな自然と笑ってるよね(笑)」
マイカ「やっぱり自然に目も合うし」
ドク「お客さんも男女ペアでフォークダンス踊り出したらおもしろいよな?」
アヤ「〈みんなの遊び場〉になる」
マイカ「ぜひ踊りに来てください(笑)」
――凄そうですね……。そして、アルバムのラストは“CAR RADIO”です。
ココ「はい、これは1分25秒くらいしかない曲で、ギャンパレ的にも新しいんですけど。私が歌い出しを使っていただいてて、これは〈ラッパーみたいな雰囲気をイメージして歌って〉って言われて、カッコイイ感じの歌い方をしてます。これは私のイメージですけど、一本道を戻らずに突き進む……みんなの背中が見える感じを想像して歌いました。こういう曲が最後にくるのも何か新鮮でいいですよね」
――確かに、アルバムの聴き終わりが次へのイントロみたいな感じもあるというか。始まりっぽい終わりっていうか。
ココ「そうなんです、歌詞もカッコ良くて好きです」
――他にもアヤさんの入った“Plastic 2 Mercy”と“FOUL”が入って、こうやって10曲まとまってみると、シングルは凄いアンセム感の強い曲が多いし、いろんな曲調が入ってるし、良い意味で、凄いヘンなアルバムだと思いました。
ドク「百味ビーンズみたいな」
ユア「いろんな味がある」
ココ「言っていただいたようにいろんな曲調があって、“Beyond the Mountain”の時も〈新しいね!〉って言ってもらえてたのが今回また、さらに幅が広がって。〈ギャンパレはいろんな曲ができるぞ〉っていうことを見せつけられる作品かなと思ってます」
ドク「この新しいアルバムを新しいフィールドで戦える自分たちの武器にしたい。自分もだし、いままでギャンパレはWACKの中を意識しすぎてたのかなって、ちょっと思うんですよ。アルバムっていうきっかけも貰えたから、ここからは戦いのフィールドを広げて、さらに外の世界で勝負していきたいです」