コラム

ニュー・オーダー(New Order)の新ライブ盤『NOMC15』リリース記念! 小野島大、新谷洋子、照沼健太が選ぶ理想のセットリスト

ニュー・オーダー(New Order)の新ライブ盤『NOMC15』リリース記念! 小野島大、新谷洋子、照沼健太が選ぶ理想のセットリスト

ポスト・パンク/ニューウェイヴを代表するバンドにして、マッドチェスター・ムーヴメントの先駆的な存在――現在も後続のアーティストに多大なる影響を与え続けているニュー・オーダー。カリスマ的なヴォーカリスト、イアン・カーティスが自殺したことで解散を余儀なくされたジョイ・ディヴィジョンを前身に、残されたメンバーを中心に結成され、81年にファクトリーより“Ceremony”でデビュー。以降、二度の解散を経ながらも再結成を繰り返し、2007年には古参メンバーのピーター・フックがバンドを離脱するも、2015年には10年ぶりのオリジナル・アルバム『Music Complete』を発表した。

同年の11月には、『Music Complete』を引っ提げて、英ブリクストン・アカデミーでパフォーマンス。イギリスのガーディアン紙が五つ星と共に〈誰も到達することのできないエレクトロ史上最高の名曲で光り輝き、ひとたび求められれば、その曲で聴くものすべてに最高な夜を届けた〉と最大級の賛辞を送った特別なステージを収録したのが、本作『NOMC15』だ。最新作からはもちろん、ジョイ・ディヴィジョン時代の名曲“Love Will Tear Us Apart”から“Blue Monday”“The Perfect Kiss”といった代表曲までを網羅した充実の19曲入り2枚組。ファンにとってはもちろん必聴の作品だが、ニュー・オーダーを知らないリスナーの入門編としても機能する一作といえるかもしれない。

今回Mikikiでは『NOMC15』リリースを記念して、小野島大、照沼健太、新谷洋子の音楽ライター3名に各々が考える〈理想のセットリスト〉の作成を依頼。リストを通してニュー・オーダー/ジョイ・ディヴィジョンへの想いを自由に綴ってもらった。 *Mikiki編集部

NEW ORDER NOMC15 Mute/Traffic(2017)

 

 小野島大の場合

1. Round & Round(89年『Technique』)
2. Fine Time(89年『Technique』
3. Confusion(83年シングル)
4. Vanishing Point(89年『Technique』
5. Everything's Gone Green(81年シングル)
6. Love Vigilantes(85年『Low-Life』
7. Dream Attack(89年『Technique』
8. All The Way(89年『Technique』
9. Dreams Never End(81年『Movement』)
10. Thieves Like Us(84年シングル)
11. Sunrise(85年『Low-Life』)
12. Procession(81年シングル)
13. World(93年『Republic』)
14. Here To Stay
(2002年』シングル)
15. State Of The Nation(86年シングル)
16. Regret(93年『Republic』)
17. True Faith(87年シングル)
18. The Perfect Kiss(85年『Low-Life』)
19. Bizzare Love Triangle(86年『Brotherhood』)
20. Temptation(82年シングル)

それもまた人生

こういうのは迷っているといつまでも決まらないので、サクッと。一応選曲の基準としてはピーター・フック在籍時の曲に限定することと、ただしジョイ・ディヴィジョンの曲は入れないこと、そして定番中の定番“Blue Monday”は避けること。なぜかといえば、前回来日した時にインタヴューしたら、〈Blue Mondayは過去にやりすぎたので、もうやりたくないけど、客が望むから仕方なくやってる〉ぐらいのニュアンスで話していたからだ。アーティストが飽きてるような曲を無理にやっても健康によくない。

ならいっそ有名ヒット曲をすべて避けて選曲しようかとも思ったが、客である僕自身がそれじゃ盛り上がれない。それでも中盤に渋い曲を揃えすぎた感はあるが、もちろん全曲シングル曲で1時間半踊りっぱなしでも楽しいはず。要はニュー・オーダーであれば何でも楽しい。ファンですから。

Round & Round”を演奏する89年のパフォーマンス映像
 

『NOMC15』の選曲は、もちろん『Music Complete』のプロモーション・ツアーの録音なのだから、同作の曲が多くなるのは当然。そしてキャリアが長くなればヒット曲や定番曲も増え、ファン・サービスのためにそれらの曲を入れていけば、セットリストの大半は埋まってしまう。残りが〈そんなに知られてないけどアーティストがやりたい曲〉ということになるが、そのバランスもいい。よく練られたセットリストということだ。

でも僕はやはりピーター・フック時代に愛着があるので、〈ピーター・フックが復帰した時はこういうセットリストでやってほしい〉という願いを込めてセットリストを組んだ(いや、もちろん現ラインナップでこれをやってくれても狂喜乱舞だ)。『Get Ready』(2001年)以降の曲が1曲しか入っていないのは、単なる好みの問題である。最近になってピーターとバンドの争いは(法律上の)決着がついたみたいだが、別に両者の関係が良くなったわけではなく、復帰の可能性は限りなくゼロに近いだろう。ファンとしては残念だし悲しいとしか言いようがないが、しかしそれもまた人生だ。

Temptationを演奏する81年のパフォーマンス映像
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