from the band apart
耳に優しいソロとアコースティック・セット!

荒井岳史 will KATSUSA PLANNING(2017)

 the band apart関連の2作品が同時に到着。まずはバンアパのヴォーカル&ギター、荒井岳史の3作目『will』だ。三浦康嗣(□□□)をプロデューサー/鍵盤に迎えるなど、前作と同じ面々で脂の乗ったバンド演奏を繰り広げつつ、ソロとしてのまだ見ぬ表情がじわじわと伝わる仕上がりになっている。シティー感覚も含む80sのポップス色が全面に出て、甘酸っぱさのなかにほろ苦さも薫る“リメンバー・ミー”“ミステリアス・ガール”、イントロから仰々しいほど明るくホーンが鳴る“Wonder Magic”と、懐かしくも新しい味わいのナンバーが目立つ。

the band apart (naked) 2 asian gothic(2017)

 そして、バンアパのアコースティック・セット、the band apart (naked)の2作目『2』も大胆なアプローチに胸が躍る。今回はタイトルに〈2〉表記の付く、原曲とはガッツリ構成の変わったヴァージョンが多い。さらに、あのシュガー・ベイブの名曲“DOWN TOWN”をなんと原昌和(ベース)が歌唱。これがなかなかどうしてキマっています! ほかには“12月の”をレゲエ~ダブ調で季節反転的に聴かせたり、(ライヴ会場限定でのリリースだった)nakedのオリジナル曲“Paper Planes”では持ち前のクリーンなサウンドを歯切れよく響かせたり。両盤とも耳に優しいアンサンブルなので、エンドレスで浸れる。