©2017 時雨沢恵一/KADOKAWA アスキー・メディアワークス GGO Project

激しいガン・アクション越しに受け入れる自分自身

 仮想現実のゲーム世界において、銃を手にした全身ピンクの小柄で可愛らしい女の子が、人間離れした動きで敵たちを瞬く間に撃ち抜いていくサヴァイヴァル・アクションSF――そんな少年心をくすぐる要素をエンタメ感たっぷりに詰め込んだTVアニメが、この4月に放送を開始した「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」だ。

 本作はTVアニメや劇場映画が大ヒットした川原礫の小説〈ソードアート・オンライン〉シリーズに登場するガン ・シューティング系RPG〈ガンゲイル・オンライン〉を題材に、〈キノの旅〉シリーズで知られる時雨沢恵一がサヴァイヴァル・ゲーム&ガン・アクション趣味全開で書いた同名小説をアニメ化したもの。冒頭で紹介したピンクの女の子=レンを主人公に、ゲーム世界での手に汗握るガン・アクションを主軸としつつ、現実世界での人間関係も交差するSAOシリーズならではの物語が展開される。TVアニメ版「ソードアート・オンライン」の主題歌を複数回担当してきた藍井エイルが、活動再開後初のシングルの表題曲“流星”でオープニングを飾っていることも話題のひとつだろう。

 その一方、エンディング・テーマに起用されたのは、レンによるキャラクターソングとなる“To see the future”。レン役の声優を務める楠木ともりが歌唱を担当している。この春に高校を卒業したばかりの彼女は、昨年の声優デビューからTVアニメの主演を含む大役に次々と抜擢され、今年サービス開始予定のアプリゲーム「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS」でも優木せつ菜役でアイドル活動することが決まっている若手の注目株だ。高校時代は軽音部に所属し、作詞/作曲が趣味の音楽好きという一面もある。

レン To see the future アニプレックス(2018)

 〈窮屈なリアル 息がつまる〉という少し切迫感のある歌い出しも印象的な“To see the future”で描かれるのは、レン及び彼女のアバターを使う小比類巻香蓮というキャラクターの心情。香蓮は自身の高身長にコンプレックスを抱いているがゆえに、ゲーム内では小柄なレンとして生きているのだが、ここでは彼女が〈なりたい自分〉と〈なれない自分〉の両方を受け入れて未来を見つけるまでの過程が、仮想空間さながらのフューチャー・ベース感漂う近未来トラックと共に表現される。詞/曲を手掛けたJazzin'parkの手腕はもちろんながら、楠木のどこか願いを託すような瑞々しい歌声も楽曲のテーマと絶妙にマッチ。「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」という作品世界にも、自分自身に自信を持ちたいあらゆる人の心にも寄り添うナンバーと言えそうだ。

 

今月の素敵音楽 from2Dao and more!

VARIOUS ARTISTS KenBang! ポニーキャニオン(2018)

グッド・メロディーなアニメ曲を〈歌うピアノ〉をテーマにリアレンジした企画盤。ピアノ・トリオ編成の“シュガーソングとビターステップ”で美麗なステップを踏むSchroeder-Heads、ボッサ調のリズムを敷いた“NO Thank You!”のなかで鍵盤が情熱を迸らせるミト feat. 末光篤など、ジャズ寄りのものからエレポップ風まで、エレガントな装いの全7曲を収録。部屋聴きに。 *土田

 

PPP ペパプ・イン・ザ・スカイ! ビクター(2018)

「けものフレンズ」に登場する5人(5羽?)組ペンギン・アイドル・ユニットのファースト・アルバムには、“ようこそジャパリパークへ”のPPP版や、各キャラの特徴を掴んだソロ曲などを収録。メロディックEDMな新曲“大陸メッセンジャー”などに顕著な優しさに溢れた詞世界には、思わず朗らかな気分になる。なぜかブルーハーツ“人にやさしく”のカヴァーも。 *北野

 

Ci+LUS シトラスは片想い ビクター(2018)

今夏に初の日本武道館公演を控えるアプリゲーム〈Tokyo 7th シスターズ〉より、山崎エリイと田中美海(Wake Up, Girls!)がキャストを務める新ユニットがデビュー。乙女の真っ直ぐな恋心を軽やかなホーンに乗せて届ける表題曲、2ビートの陽だまりガールズ・ポップ“アイコトバ”の甘酸っぱいフレイヴァーはまさに柑橘系だ。でも歌声の糖度は高め! *北野

 

地獄の沙汰オールスターズ 拝啓、地獄より キング(2018)

「鬼灯の冷徹」の〈第弐期その弐〉のオープニング曲を表題とするシングル。プロデュースは同作に馴染みのYOUR SONG IS GOODで、ムード歌謡というか、いっそ演歌!?︎な導入から三三七拍子を合図に軽快なスカに転じる同曲は、徹頭徹尾、いかにも彼ららしいゴキゲンぶり。カップリングの“大!地獄地獄節”も含め、登場人物たちの入り乱れる賑々しい歌唱が楽しい! *土田

 

VARIOUS ARTISTS 美少女戦士セーラームーン THE 25TH ANNIVERSARY MEMORIAL TRIBUTE EVIL LINE(2018)

月の戦士のトリビュート盤ふたたび! ——ということで「美少女戦士セーラームーン」の放送25周年を記念した本作。名曲“ムーンライト伝説”をほんのりラテン風味でワイルドに仕立てたLiSA(編曲は堀江晶太)、やたら激しい“ラ・ソウルジャー(La Soldier)”が新鮮な月蝕會議、“Moon Revenge”をビート・パンク化したBiSHなど、前回の20周年盤に比べてロックな面子が目立つ内容に。なかでも女王蜂はセーラーウラヌスとセーラーネプチューンのデュオ曲“Eternal Eternity”をアヴちゃんが一人二役で歌うことによって、独特の耽美世界を表現。他にも井上苑子、やくしまるえつこ、SILENT SIRENに加え、“乙女のポリシー”の石田燿子によるセルフ・カヴァーも! *北野

関連盤を紹介。