ライ・クーダーの6年ぶりの新作はゴスペルを中心に、カヴァーを8曲、オリジナルを3曲収録。カヴァーしているゴスペル曲はスライドギターの名手ブラインド・ウィリー・ジョンソン、名門ゴスペルカルテットのピルグリム・トラベラーズ 、カントリーのアルフレッド・リード等々、多彩な選曲となっている。原曲と比較すると、その曲のもつ雰囲気を損なわないように、かつ現代的にアレンジしていることがわかる。それにしても“You Must Unload”のカヴァーの美しさは圧倒的だ。ただ息をのむ(オリジナルは27年に発売。むろん素晴らしい)。
息子のヨアキムをパートナーに据えた6年ぶりのニュー・アルバムは、ピルグリム・トラヴェラーズやスタンレー・ブラザーズなど、過去100年のフェイヴァリットなゴスペル曲を取り上げたもの。ギタリストとしてのライの魅力が存分に発揮されていて、突き刺すような絶品スライドが随所で登場する一方、心洗われるような美しい演奏が多いのも特徴だ。とりわけ“Jesus And Woody”での天上の響きに心奪われた。