『ディスコの神様』もリリースして、〈Maltine Records presents「東京」〉も終わって一段落。あまりにあっというまのゴールデンウィークでした……今回はど〜しても取り上げたかったので、編集長にお願いをして個人的にはスペシャルなコチラを。
宇多田ヒカル 『First Love -15th Anniversary Deluxe Edition』 ユニバーサル(2014)
90年代の終わりをファースト・ラブ、初恋だなんてタイトルによって告げたデビューから〈人間活動〉期まで走り抜けてきた彼女の、天然かつ、まだ多くの人間の手を借りて出来上がっているというファースト・アルバムの本作は、本当に奇跡のバランスで出来ているとしか言いようがなく、小学生のころ、実家のカーステでカセットでよくかかっていたし〈笑う犬〉シリーズも観てたのに、22〜3歳になってやっとこのアルバムの良さがわかりはじめました(“水星”といい、中澤真由好きといい、潜在的な影響は恐らくすでに受けていたのですが)。さらに自分の人生の区切り(メジャー・デビューとか)などとこのアルバムの良さに気づく時期がかぶってしまい、完全に去年末くらいから今年頭くらいは宇多田氏の楽曲ばっかり聴いて新譜を聴く量が減少、当連載に影響も出る(?)という事態に実は陥っていました。
宇多田さんの楽曲を聴くとやはり個人のパーソナルな部分を突き詰めていくことが最終的にポップ・ミュージックを完成させるということに必要でもあり、いつも悩みがちな自分を後押ししてくれる作品でもあります。他人の人生の区切りに自分の人生を重ね合わせることは本当は間違ったことなのかもしれませんが、思春期の、少し他と違う女の子の書いた歌詞に世の中の多くが共鳴したという事実は、いまなお聴いても納得でき、一方では驚くべき事実でもあります。
宇多田さんの楽曲を聴くとやはり個人のパーソナルな部分を突き詰めていくことが最終的にポップ・ミュージックを完成させるということに必要でもあり、いつも悩みがちな自分を後押ししてくれる作品でもあります。他人の人生の区切りに自分の人生を重ね合わせることは本当は間違ったことなのかもしれませんが、思春期の、少し他と違う女の子の書いた歌詞に世の中の多くが共鳴したという事実は、いまなお聴いても納得でき、一方では驚くべき事実でもあります。
今回のデラックス・エディションは、物としての欲望も満たしてくれるし、デモ・ヴァージョンなどの初公開音源(“In My Room”のAlternate Versionなんて特に)、僕がシングルを集めていた理由でもある素晴らしいカップリング音源の収録など、本当に最高です。そしていちばん個人的にテンションが最高潮に達した部分は、ただでさえ内容の素晴らしいインタヴューがfacetime(アップル製品で使えるテレビ電話機能)で行われていた事実です。computer screen越しに行われるインタヴューにI feel so warm。やっぱ完璧。
▼関連作品
左から、宇多田ヒカルの2014年作『First Love -15th Anniversary Edition-』(ユニバーサル)、中澤真由の2002年作『STEP INTO MY HEART』(Island)
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tofubeats(トーフビーツ)
90年生まれ、神戸在住のトラックメイカー。くるり、lyrical school、一十三十一、小泉今日子、パラ・ワン、Negicco、MEGらの作品でプロデュース/リミックスを手掛けまくり、藤井隆らをフィーチャーしたみずからの最新EP『ディスコの神様』(unBORDE)も好評リリース中です。先日は〈森高千里 with tofubeats〉として〈SUMMER SONIC 2014〉へ出演するというニュースも話題になったばかり。加速が予感される今後の動きは〈www.tofubeats.com〉にてチェックしてね!