

今回は、とにかくLE SSERAFIMの最新ミニ・アルバム『HOT』について語らせてほしい。

デビュー曲“FEARLESS”から、“ANTIFRAGILE”“UNFORGIVEN”など、逆境にも恐れず立ち向かっていくみずからの意志を楽曲やパフォーマンスに昇華してきたLE SSERAFIM。最新作の“HOT”は、完璧に見える彼女たちの不安や葛藤まで表現した“EASY”、何もかも振り切ってCRAZYになれるようなダンサブルな楽曲を中心に構成された“CRAZY”に続く3部作の最終章だ。
これまで作品にはメンバー5人の〈生き様〉が体現され続けてきたが、“HOT”でも同様に〈明日のことを考えず、燃え尽きるように生きる〉というメッセージが込められている。サビでの象徴的なフレーズ〈내가 나로 살 수 있다면 재가 된대도 난 좋아(私が私として生きられるのなら、灰になったって構わない)〉は、人生を賭けた挑戦へ覚悟を決めた彼女たちが歌うからこそ、私たちリスナーに響くものがある。

さまざまな音楽ジャンルや高難易度のダンスを取り入れ、K-Popの中でもトップレベルのストイックさで絶大な人気を誇るグループだが、私がいちばんの魅力だと感じるのは、ミスや失敗などのネガティヴに捉えられるような側面を本人たちが隠すことなく受け止めていて、その姿勢がそのまま楽曲にも現れているところだ。2024年のコーチェラでのライヴ・パフォーマンスの評価に賛否が分かれたことさえもLE SSERAFIMらしい、と個人的には思っている。

彼女たちの存在、そして発信しているもの全てから、一貫したメッセージを幅広い表現で届けてくれる。これからも、ずっとずっと目が離せないアイドル。これからの活動も楽しみで仕方がない。

【写真と文】hana:8人組のHIP HOPユニット、lyrical schoolでMC/ヴォーカルを担当。lyrical schoolでは現体制での初作『DAY 2』(ビクター)に続き、“dance”が配信中。3か月連続での対バン企画〈MY DATE〉が4月にかけて開催されています。それ以降の最新情報は〈https://lyricalschool.com/〉にて!