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バンドの好調ぶりに繋がるメンバーの外仕事たち

 バンドのコンディションがどんどん上昇している思い出野郎Aチームの好調ぶりの理由には、作家や演奏者として携わった外部仕事からの良いフィードバックもある模様。まず、本文にもある楽曲提供ものとしては、Negiccoへの“スマホに写らない”と、lyrical schoolへの“オレンジ”が。前者は女性らしい煌めきを散りばめたソウル・ポップで、後者は主役のラップをファンキーに支えるグルーヴィーなナンバーでそれぞれのアイドル性を際立たせつつ、特にNegiccoのほうは歌詞も高橋が手掛けているせいか、思い出野郎によるセルフ・カヴァーも聴いてみたいほどにより〈らしい〉仕上がり。そのほか、NHK Eテレの子供向け番組「シャキーン!」には “逆にパワー”を書き下ろしており、軽快なバブルガム・ソウルに乗せて逆境を力に変える秘訣(?)を番組の登場キャラ・モモエと共に歌い上げている。

 また、高橋一(トランペット)と増田薫(サックス)、山入端祥太(トロンボーン)らのホーン隊を中心に、メンバーはプレイヤーとして多くの作品に参加。chelmico“OK, Cheers!”、一十三十一“Swept Away”といった近作に加え、VIDEOTAPEMUSICやEnjoy Music Club、高橋飛夢などの作品にも招かれており、溌剌とバウンスするナンバーからトロピカル・ラウンジーなムードに浸る楽曲まで、その世界観を増幅するアクセント役を担当。さらに異色なところでは、Alfred Beach SandalとSTUTSのコラボ曲“Quiet Blue”が。STUTSが思い出野郎によるソウル由来の演奏をサンプリングし、極上のAORに仕立てている。 *土田真弓

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