INTERVIEW

Chelip『サマータイムシンデレラ』 初のワンマンも控えた二人が語る、待望のニュー・シングルに込めた想いとは?

【ZOKKON -candy floss pop suite-】 第82回 Pt.1

Chelip『サマータイムシンデレラ』 初のワンマンも控えた二人が語る、待望のニュー・シングルに込めた想いとは?

あの夏を思い出す、この冬の名曲が誕生!

 鳥取を拠点に、マイペースながらも着々とその魅力を伝えてきたChelip。“ソング・フォー・ユー”以来となる通算9枚目のニュー・シングル“サマータイムシンデレラ”は、鶴の秋野温が提供した渾身の出来映え。ここ数作がいわゆるアイドル色を華やかに強調していたのに対し、鶴らしいバンド・サウンドに乗った温かみのあるナンバーに仕上がってきました。

Chelip サマータイムシンデレラ doles U(2018)

 

藤井美音「夏に出したかったんですよね、ホントは(笑)。いろいろ事情が重なって11月になったんですけど、この季節になってリリースできて、夏を振り返ってもらえるみたいな。逆にそのズレたのが、終わった夏を惜しむような感じでちょうど良い雰囲気になりましたね。ただ、もうちょっと夏っぽい歌詞だったところは、ドライヴしてて気持ちいい時期に聴けるみたいな感じの内容にして変えてもらいました」

井次麻友「がっさり変わったな」

——ゆったりした曲調が振り返ってる感を出してるので、最初から秋冬に向けて作った曲かと思ってました。

美音「ああ、良かったです(笑)。そこはもうホントに秋野さんが尽力してくださって。最初は〈丸ごと秋寄りに変えようか〉っていう案もあって、それ用の歌詞もあったんですけど、どうしても最初にデモで聴いた、夏を惜しむ感じの歌詞が凄く良くて、ちょっと戻していただいたりして。タイトルも〈サマータイム〉じゃなくって」

麻友「〈アヴァンチュールシンデレラ〉だっけ?」

——アヴァンチュールだとちょっと軽い女の子みたいになるので(笑)。

美音「アハハハハ。〈サマータイム〉で良かった。エモみがありますよね(笑)」

——鶴さんとはどういう縁があって?

美音「話を辿るとけっこう長いんですけど。まず、DJダイノジさんがベイビーレイズJAPANさんと鳥取でイヴェントをされた時にオープニング・アクトで呼んでいただいて。鶴さんが提供したベビレさんの曲も前から好きだったんですけど、その時に改めて聴いて良いなって思ってて、ベビレさんともそういうお話をさせていただいたりとかしたんですね。で、そしたら今度はお隣の島根のライヴハウスの店長さんが、〈曲の親和性があるし、相性が良いんじゃない?〉って、鶴さんと私たちChelipと地元のバンドさんでのスリーマンを組んでいただいて。実際にお互いのファンの方がお互いのライヴで盛り上がったり、凄くいい雰囲気で対バンできたんですけど、その時にご挨拶できて〈いつか鶴さんに曲を作ってもらえるようにChelipもがんばります、いつかお願いします〉みたいなお話をしていたのが、去年の夏で。それが1年越しでホントに形になったっていう感じです。でも、こんなに早く実現するとは思ってなかった」

麻友「言ってみるだけあったな」

美音「その店長さんが凄く鶴さんと仲良くされてたご縁も繋がって……ラッキーって言うと軽いけど(笑)」

麻友「でもラッキーだよな」

美音「うん、ありがたい。しかも、また当て書きをしていただいたので」

——お願いする際に要望を出すんですか?

麻友「めっちゃあったへん?」

美音「すんごい細かくリクエストを書きました。〈鶴さんのこの曲のこういう感じが好きだから〉とか、失礼かもしれないんですけども〈他のアーティストさんの曲のこういう雰囲気が好みで〉……とか、作家さんにお願いする時には毎回そうするんですけど、いままでは作家さん側からChelipをイメージして〈こういう曲が似合うと思う〉っていう曲になることが多かったんです。だから、〈こういうのを作ってほしいです〉って投げて、ポンッとそのまま返ってきた感動が凄かったです(笑)。〈あ! これー!!〉みたいな。そういうのって初めてで」

麻友「だな~。リアル初めてだった」

美音「まあ、最近ちょっと可愛らしい曲が続いてるなって感じだったので、こういう曲も歌いたいなって、余計に」

——作家さん側にイメージがあるのも嬉しいことですけどね。

美音「はい。過去のどの曲にも共通してるのは、Chelipのことを考えて書いてくださってる部分なので、ホントにそれは毎回ありがたいですね」

麻友「みんながんばってくれとる」

美音「でも、これは曲に力があるので、そのパワーが届くというか、どこで披露してもすぐみんな歌えるようになって、手を挙げてくれて」

麻友「あれ、感動するよな~、わりと」

——わりと(笑)。曲調が大らかだし、気を張らない歌い方がいままで以上にお二人にハマってる気がしましたね。

麻友「言ってもらえると嬉しいな。わからんからねえ、そういうの」

——それはカップリングの“フラッシュバック”を含めた印象でもあって、そちらはAH(嗚呼)のりりかる*ことぱぉさん書き下ろしで、編曲もAHBANDの皆さんが担当されていますね。

美音「はい。AH(嗚呼)さんとは前から普通に共演させていただいてて、やっぱり曲が凄く素敵なので。こちらは曲調の希望だけ大まかに伝えて、〈ことぱぉちゃんの感性で作ってください〉ってお願いしました」

麻友「ことぱぉ感めっちゃ出とるもんね」

美音「そうそう。歌詞とかもね、お会いした時に〈Chelipの健全なイメージを考慮したほうがいいかな?〉みたいに(笑)」

麻友「ちゃんと訊いてくるよな?」

美音「訊いてもらったんですけど、ことぱぉちゃんの世界観を壊したくなかったから、好きなように作ってもらいました」

麻友「健全なやつだとどうなってたんだろうね? 全然そっちも気になるわ」

美音「なので、AH(嗚呼)のファンの皆さんが聴いても〈やっぱり、ことぱぉ天才だな!〉ってなるし、そこにChelipの声が入ることによって〈Chelipの歌だな〉っていうのは損なわれてなくて、〈凄い良い塩梅の曲だね〉って言っていただけますね」

麻友「うんうん、マジでホントにそれ」

——曲調がかつてなくクールというかカッコイイ系ですし、歌詞もなかなか悪いというか。

麻友「うん。悪い系」

美音「間違いない。ハードな歌詞です(笑)」

——出だしからの低い声にも合ってます。

美音「確かに曲は難しくて大変だったんですけど、歌いやすかったです。いつもレコーディングは必死で汗かいて〈いいのが録れたよ、やった!〉って感じだったのが、今回は〈もうちょっとこう歌っていいですか?〉って初めて自分から言う余裕もできて、ディレクションしてもらうのにプラスして、自分がこう表現したいっていうのも初めて出せたっていう意味で、何かいままでの曲とは違って聴こえるのもあるのかなって。それこそ、こういう声質を見事にぱぉちゃんが汲んで曲を仕上げてくださったなっていうのが強くて。あと、けっこうChelipは打ち込みの曲が多かったので、生の楽器が際立ってる作りも今回の新しい一面ですし、最後の大サビまでずっとひとりずつ歌ってるっていう歌割も珍しいので」

麻友「あんまないよね、ホント」

美音「うん。いろいろチャレンジの一曲っていう感じです。〈ちゃんと歌えるかな?〉って思ったんですけど、うまい具合に仕上がって。何かホッとしたけどね(笑)」

——実力じゃないですか。

美音「まあ、初期の頃だったら絶対歌えなかったし、7年目に入ったいまの2人だからこそ表現できるようになって、歌えるようになった曲だなと。だから、Chelipの曲はもう、成長が如実にわかりますね」

麻友「見えすぎでしょ。初めのほう、恥ずかしいもん。ちょっと無理だもん、マジで」

美音「やっぱ当て書きだからか、曲の感じも徐々に成長していってて。恋愛の曲が意外と多いんですけど、昔の〈若いな!〉って感じから落ち着いていって、いまこういう大人っぽい曲になってきているので、通して聴くとおもしろいです。今回は秋野さんが女性目線の曲を書いて、ぱぉちゃんが男性目線の曲を書いているっていう意味でも、一枚として何かまとまりがあるというか、おもしろいCDになりました」

——はい。このシングルを出されて、12月末には新潟でconnieさんとのツーマンがあって、3月22日には東京で初のワンマンを開催されるわけですが。新潟は前のシングルでconnieさん作の“Lovin' You”をリアレンジでカヴァーされた縁もあり。

美音「はい。ずっと行きたかった新潟にもChelipの認知が少しできてきて、やっと夢が叶ったというか。connieさんとお会いするのがまず初めてなんです。いままではメールで連絡させていただいてるだけで」

麻友「優しい文章やんねえ」

美音「connieさんもですし、新潟の皆さんにやっと感謝を伝えられることのほうが気持ち的には大きいので、〈どうしてもお客さんを集めなきゃ〉っていうよりかは、〈ご挨拶に行けるな〉っていう気持ちが強いのが新潟ですね」

麻友「なあ、マジで早く行きたいよな」

美音「もちろんがんばりますけど、良い意味で自分たちが楽しむライヴかなと思ってます。それに対して3月のワンマンはしっかり自分たちが魅せていく場だなと思うので、ちょっとまた意識は違いますね」

——意外にも〈ワンマン〉の冠でやるのは初めてなんですね。

美音「ずっとやりたいと話してはいて、何回もチャンスはあったんですけど。正直に言うと逃げていたというか。〈まだできない〉って言い方をしながら」

麻友「踏み出せんよな」

美音「いまはレーベルさんも安定していい環境になって、いろんなところに応援してくださってる方が増えてるっていうのを感じることができていて。ご縁を繋いでゆっくり進んでいくのがChelipらしさではあるけれども、〈やらなきゃいけない〉っていう気持ちになったというか、何か勝負に出ないといけないんじゃないか、みたいな気持ちになりました。応援してくださっている皆さんの気持ちにも応えたいし、自分たちの力をみんなと一緒に証明したいし、自分たちでも確認したい。地元の定期公演では全曲歌ってるんですけど、東京で全部フルで歌う機会はなかったので、潜在的に〈Chelip観たいな〉って思ってる方にもChelipの見本市的に観ていただけたら嬉しいです。ちょっと遠い話なので、まだ気持ちの話しかできないけど(笑)」

麻友「何にも決まってないよね? まだ」

美音「でも、すぐ3月になりますよね? こうやって話してるけど、もう11月ですし」

麻友「え、来るよ。もうマジで来るよ。マジでどうするんだ、ホント(笑)。全然決めてないやん。マジで」

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