イリノイのカルト集団、フィールトリップに所属する26歳のシンガー・ソングライターが放ったファースト・アルバム。妖しさを醸すムーディーなシンセ、ユルユルのグルーヴ、そして迂闊にもトッド・ラングレン大先生の名前が浮かんでしまうほどの美メロの大洪水で、午後のサボり時にはうってつけの一枚。アリエル・ピンクの流れからヨット・ロックとドリーム・ポップの中間点を狙っている感じもイマっぽい。
シカゴからとんでもないシンガーソングライターが現れた。〈ピッチフォーク・ミュージック・フェスティバル2018〉にも出演するなど今絶対に聴くべきアーティストとして相応しい、ポール・チェリー。今作が世界初CD化。実はPUNPEE氏の自身のラジオ番組「SOFA KING FRIDAY」でも紹介されているほど注目を浴びている。優しい歌声とグッドメロディにいつの間にか最後まで聴き入ってしまう超良盤。ノスタルジックでインディー・ドリーム・ポップサウンドが心地よく、そのセンスは抜群。さらにジャケもよし。出来ることなら是非生で聴きたい、そう思える音楽だ。