コラム

鈴木良雄 BASS TALK『Beyond The Forest』 祝! 音楽生活50周年――ナチュラル志向で自然の響き、ずっと変わらないもの

鈴木良雄 BASS TALK『Beyond The Forest』 祝! 音楽生活50周年――ナチュラル志向で自然の響き、ずっと変わらないもの

祝! 音楽生活50周年~ナチュラル志向で自然の響き、ずっと変わらないもの

 増尾好秋と並び、早大モダンジャズ研究会出身、そして同じく渡辺貞夫スクールから世界に羽ばたいたベテラン・ベーシスト、〈チンさん〉こと鈴木良雄。2019年はその音楽生活50周年。そのアニヴァーサリー・リリースとして完成したのが自身のグループ、BASS TALKによる6年ぶりの4作目のアルバム『Beyond The Forest』。

鈴木良雄 BASS TALK Beyond The Forest FRIENDS MUSIC(2019)

 BASS TALKは2001年結成。メンバーはチンさんの他、井上信平のフルート、野力奏一のピアノ、岡部洋一のパーカッションというカルテット編成。アコースティックなサウンドを基調にしながら、コンテンポラリーなサウンド・メイキングも織り交ぜ、洗練されたジャズを聴かせるグループとして活動中だ。

 前作『ダンシング・ルナ』同様に、〈自然派のメロディー〉ともいえる、空気がきれいな場所でしか浮かばないような美しい旋律を持った描き下ろしの楽曲で構成されており、全9曲に共通しているのは、聴いていると、まるで森の緑のやさしさに包まれているかのような気持ちになれる、そんなイマジネイティヴな雰囲気が漂っているところだ。ほぼ全曲をチンさんが作曲しており、チンさんの故郷である木曽福島で毎度コンサートを主催している人々に捧げる“筏衆”のみ、野力奏一との共作で、この曲は殊にジャジーなサウンドとクールなビートが印象に残るナンバーだ。全曲のアレンジとプログラミングは野力奏一によるもので、今回もBASS TALKのサウンド・ディレクションのキーとなっている。

 そこに今回は、BASS TALKのナチュラル志向のサウンドにいいアクセントとして加わっているのが、ゲスト参加の石川滋。読売交響楽団初のソロ・コントラバス奏者と言う肩書を持つ石川のプレイは重厚でありながら、その音色は限りなく温かい。

 一服の清涼感を音楽に求めたくなるときがある。その際はBASS TALKがいいと思う。チンさんの〈ズウウン〉と鳴るベースは自然の響きそのものだから。

 


LIVE INFORMATION

鈴木良雄 音楽生活50周年記念
BASS TALK 『Beyond The Forest』リリース記念コンサート

○5/26(日)会場:白寿ホール
chin-suzuki.com/

TOWER DOORS