波乱を乗り越えて踊り狂えるアッパーな自信作!

 サイケデリック・トランスを持ち味として2017年に始動したMIGMA SHELTER(以下ミシェル)。一時はオリジナル・メンバーのミミミユとブラジルの2名での活動を余儀なくされるも、今年3月にはユブネ、タマネ、ミソニー、シャイシャイコの4名が加わり、さらに4月からは同時期に解散したTHERE THERE THERESの有坂玲菜がレーレとして加入——ここ数か月での変化を本人たちはこう振り返る。

ユブネ「お互いに気を遣わなくなって、〈負けたくない〉という気持ちが出てきました」

タマネ「レーレちゃんが入ったことで、以前よりも前に出ようとする意識がいっそう芽生えてると思います。特にレーレちゃんのダンスがヤバくて」

ブラジル「振付けじゃない部分でも、レーレちゃんはただ移動してるだけでステージ上での存在感が凄いんです。それまではみんな全然それができてなかったんですけど、少しずつできるようになってきました」

レーレ「これまで外からミシェルを見てきましたけど、入ってからのほうが楽しいイメージが大きくなりました。ゼアゼアと比べるとミシェルはライヴ中ずっとテンションが上がってます」

 順調な再スタートに思われたが、5月にミソニーが活動休止、さらに7月には突然シャイシャイコの脱退が発表されたばかり。

レーレ「とにかく悔しい。寂しい、悲しいももちろんなんですが、止められなかった」

ユブネ「正直で素直で、とにかく他にいないタイプの子で唯一無二すぎて。ああいう子を失ったのは大きいなと思います」

MIGMA SHELTER Names MUSIC@NOTE(2019)

 そんな転機を飾るのがトリプルA面仕立てのニュー・シングル『Names』。冒頭の“Spider Line”から神秘的に迫ってくる。

タマネ「雲の上に昇る男の話です。『蜘蛛の糸』みたいな話」

ミミミユ「ジャックと豆の木かと思った」

ユブネ「え、そんなポップな話じゃなくない!?」

ミミミユ「え、絶対そうじゃん」

レーレ「3曲の中でいちばん踊りたくなる曲。聴きどころはタマネのソロ・パートで、声が可愛くて特徴的なので聴いてほしいです」

タマネ「サビ終わりからの盛り上がりが好きです。そうじゃないんですけど、オーケストラみたいな昂揚する感じがします」

 一方、MVも撮影された“69”はCMJK制作のロッキッシュなトラックとなる。

ミミミユ「まだ前体制だった1年半くらい前にいただいていた曲で、作詞した田中(紘治:ディレクター)さんの付けた仮タイトルが“OZAKI”だったので尾崎豊さんだと思ってた」

ブラジル「サイケデリック・トランスというよりは重いロックな要素が強い曲調で、レコーディングの時に〈他の曲よりも男みたいにゴリゴリに歌え〉って言われました」

レーレ「CMJKさんが作ってくださっていて、当時はミシェルにいなかったので羨ましいと思ってました」

 そして3曲目は「壮大な曲」(レーレ)だという“NAME”。

タマネ「ミシェルは曲ごとにメインが変わるんですけど、この曲ではメインのブラジルちゃんに注目してください。特にいちばん最後の〈Relight〉って言うところが死ぬほどカッコイイ!」

ユブネ「ステージに立つ人の曲だから感情移入しやすいです」

レーレ「歌詞に出てくる〈スポットライト〉を当てる動きをしていたり、けっこうダンスも激しくて。ライヴでは気付かないような細かい音がたくさん使われてるので、そこにも注目してほしいよね」

ユブネ「音楽好きの方なら絶対満足していただける内容になったと思います。とにかく全曲聴いて、それで判断してほしい」

そんな自信作を引っ提げた彼女たちには夏が待っている。

ミミミユ「この夏はいろんな人にミシェルを知ってもらいたい。TIFや@JAMみたいな大きいイヴェントにも出るので」

ユブネ「一回一回のチャンスを無駄にしないで、ちゃんとパフォーマンスしないとね。お客さんを動かすにはまずはもっと自分たちが狂わないといけないし、グループ全体でガッていけるようになりたい」

タマネ「このシングルもですけど、ミシェルの曲はフロアで聴いてほしいです。ぜひ体感しに来てください!」

MIGMA SHELTERの2019年のシングル『Parade's End』(MUSIC@NOTE)