繰り返すのは思い出、もしくは悲しみ、あるいは――急劇な2度目の終焉を経てまたも新生したBiS。選ばれし5人の作り上げたファースト・アルバムは、別の未来へ向かって最上の音を鳴らす!
歯切れの悪い終わりから告げられる世界の始まり――5月11日の解散からちょうど1か月後の6月11日、みたびBiSが産声を上げた。2000人以上のオーディション応募者から選ばれたのは、イトー・ムセンシティ部、チャントモンキー、トギー、ネオ・トゥリーズ、マナコ・チー・マナコの5名。元祖BiSが2014年に解散後、2016年に再結成した第2期BiSには創設メンバーのプー・ルイがいた。一方、顔ぶれを一新して〈第3期〉を謳う今回のBiSは、仕掛人の渡辺淳之介(WACK代表)とサウンド・プロデュースを担う松隈ケンタ(SCRAMBLES)の存在こそあれ、先代のストーリーを直接的に受け継ぐものではない。かつて轟かせた悪名や看板の大きさに反して、まだ何の物語も持たない彼女たち。二度あることは三度あるのか、三度目の正直なのか……ところで、仏の顔は何度まである?(取材は7月22日に行われました)
3期のBiSがめざすもの
——最初に集まった際は互いにどんな印象でしたか?
マナコ・チー・マナコ「5月31日に顔合わせしたんですけど、思ったよりアイドルっぽい子がいないなって思いました。垢抜けないというか……いま初めて言ったんですけど(笑)。でも、BiSっぽいと思いました」
——垢抜けない=BiSっぽいんですか(笑)。
ネオ・トゥリーズ「私はマナコと逆で、自分がこういう感じだから、めっちゃブスが集まると思ったんですよ。そしたら可愛い子が来て不安になりました。最初にティ部とモンちゃんが来て〈えっ?〉と思って、トギーが来て〈合宿にいた!〉と思って、マナコが来て〈ヤバッ!〉と思って。〈大丈夫かな、自分……〉みたいな」
トギー「福岡から来る子が美容師さんに騙されて前髪がめっちゃ変になったって噂を聞いてて、〈あ、この子か~〉みたいな」
——それがチャントさんですね。
チャントモンキー「はい。私も〈めっちゃ可愛い子来るんじゃないか?〉みたいにビビッてて、しかも眉毛にずっと自信がないのに前髪めっちゃ短くなっちゃって、落ち込んでたんですけど、集まったらけっこう同じ感じの子たちというか(笑)」
イトー・ムセンシティ部「私は初対面が苦手なので、〈あ、合宿の子じゃん〉とか〈前髪ヤバない?〉みたいに話してる4人を見て、会話に入れなかった(笑)」
マナコ「確かに入ってなかったよね」
ティ部「スタッフさんにも〈ハブられてんじゃん〉みたいに言われる空間だったんで、最初はみんなのことが怖かったです……いまもたまに思う(笑)」
——とはいえ、皆さんそれぞれがよくお話しされる印象ですね。
渡辺淳之介「まあ、基本的な状況が理解できるか、会話が通じるか、みたいな部分は見てましたね。第2期のBiSの時は、どちらかと言うとヤバイ奴を取ってみる傾向にあったのかなと思っていて。で、これは完全に僕の責任なんですけど、やっぱり増長させてしまって、最終的にアンコントローラブルになってしまったというか……ずっと話してきたつもりのことが最後まで理解してもらえなかったので。そんな状況の後に面接をしたので、自然と話せる奴が揃ったのかなっていう感じは凄いしてます」
——この5人を選んだ決め手は?
渡辺「あの、これはメンバーにも初めて明かすんですけど、チャントモンキーとトギーとネオ・トゥリーズは最初に決めてましたね。で、まあ……ごめんな」
マナコ「あ、大丈夫です。面接の雰囲気で。〈どうすっか……〉って」
渡辺「あ、そうか。イトーには〈このままだと不合格〉って言い続けてた(笑)」
ティ部「はい、私は言われてたんで」
——人数は決めてたんですか?
渡辺「あの、僕の理想としては、5人取って、1人デビュー前に辞めてもらいたいなというふうには思ってたんですけど(笑)」
——BiSHみたいに写真を破って(笑)。
渡辺「はい。ただ、やっぱBiSHを始めた時ほどの不安もないと思うんで、それは難しかったです(笑)。話を戻すと、ほぼ決めてた3人とはあんまり喋ってないんですけど、マナコとイトーの2人は面接でもけっこう長い時間かけて喋りました。いろんな話を振りながら、マイナスな点がどれぐらいあるかを探るみたいな感じではあって。どっちか片方っていうのも考えてはいたんですけど、2人とも一緒にやってみたいなっていう部分が捨てきれなかったので、悩んだ末ではあったんですけど」
——先に決めていた3人については?
渡辺「そこはもうフィーリングですね。ネオ・トゥリーズは暗すぎて、ぶっちゃけ面接でも何を喋ったか覚えてないんですけど、とにかく歌が良かったんで。それと、歌がこんなに良いのにスター性がまったくないんですよ(笑)。最初からスター性がある奴ってそんなにいないとは思うんですけど、ビックリするくらい目立たなくて」
ネオ「がんばります。容姿とか」
渡辺「え、まあいいや。たぶんいままでちょっと声小さく生きてきたんで、たぶんスター性とか一生つかないと思うんですけど、そういう奴がどうカッコ良くなっていくのか見てみたいなって思ったんですね。で、チャントモンキーは背も高いのと、他に取られる前に先に取ったというか、まあ、可愛くなるんじゃないかなっていう。あとトギーは今年の合宿オーディションに来ていて、その時から好きだったんですけど、その場で求めてたものとは違ったというか。でもBiSには彼女みたいな見た目の子が欲しかったので、まあ、BiSを受けてきたら基本合格させようと思ってました」
——ちなみに、皆さんは2期BiSの解散をどう見てましたか?
マナコ「私は人が入れ替わってもずっと続いてきた最初のBiSの泥臭い感じとか、裏側も見せてくる感じが好きだったので、2期は普通のキレイなアイドル・グループみたいに感じてました。だから〈この9人じゃないとBiSじゃない〉みたいな方向になったのかなって思いながら見てました」
ネオ「う~ん、ちゃんとキレイなアイドルで、何て言うんですかね、難しい……」
渡辺「楽しくなってきたぞ、楽しくなってきたぞ~(笑)」
ネオ「けど、あんなに個性の強い人たちが9人もいて、違う意見とか本当になかったのかな……って。絶対何かあったんだろうなと思ってました」
チャント「自分にとっては最初に知ったBiSが2期のBiSだったので、大好きでした。私はTVとか観てても裏を考えたりとか全然しない人間なので……〈あ、解散してまで9人でやりたかったんだな〉って素直に思ってました、その時は」
トギー「私は合宿にいたんですけど、普通オーディションって新メンバーを選ぶ場じゃないですか? みんなそこをめざして参加してるのに、そこで〈9人でやりたい〉っていう話になるのは……みたいには正直思ってました(笑)」
——そういう視点になりますよね。一方、今回は募集の時点で〈第1期BiSの活動を理解できる人〉っていう項目がありましたけど、そこはいかがでしたか?
マナコ「もともと1期のBiSは好きで掘ってたので、私は理解できてると思ってたんですよ。でも、それってオタク目線だったというか、興味のあることだけ深堀りして、知った気になっちゃってたなって。全裸PVでも何でも、それ自体に意味はなくても後から意味がついてきて、それがやった意味になったとか、入ってからいろいろ話していただくなかで理解できたことも多くて、凄い甘かったなって思いました」
——単純に〈また全裸PVやるのか?〉とか、たぶんそういう話じゃないですからね。
マナコ「はい。最初は私も昔のBiSみたいに奇抜で破天荒なグループをめざすっていう意味で捉えてたんですよ。でも、冷静に考えたら、WACKも昔より注目されてて、世間の目とBiSの関係も違うし、私たちと当時のBiSでは渡辺さんとの関係性も違うし、同じものをめざすのは違うなって」
ティ部「うん、最初からメジャー・デビューっていうのも当時とまるで違う状態だし。自分たちなりのものを絶対見つけていかないといけないんだなって思います」
マナコ「BiSは〈新生アイドル研究会〉じゃないですか。だから、アイドルというものをずっと研究してきたんだなって思ってて。今回は三度目の正直で、そうやって先輩たちが研究して築いてきた〈BiSなりのアイドルってこういうものだぞ〉っていう考えの上に、さらに新しいBiSっていう像を作るべきなのかなって思いはじめてます」
——そのうえでの目標はありますか。
マナコ「それこそ最初にしていただいたインタヴューでは〈BiSHを超えます〉とか〈武道館に立ちたい〉とか言ってたんですよ。でも、それも自分たちの活動を深く通して出てきた目標じゃなくて」
ティ部「そうだね。全然実力が伴ってないのに、何か大口叩いちゃったなって」
——〈先輩たちが言ってたから〉みたいな。
マナコ「はい。勝手に借りて言っちゃってた。でも、いまいろいろ用意していただいてるものって、メジャー・デビューも、いきなりワンマンやれるのも、私たちの努力で手に入れたものなんてないじゃないですか? だから、まずは目の前のことに全力で打ち込むことがいまの目標です」
BiSの名前が付くだけで
——まずは最初のワンマンの電話受付をしたり、タワレコ全店舗を回ってフライヤーを配ったり、徐々にファンの方たちと接する機会も増えてきてますね。
ティ部「電話は緊張感は最初あったんですけど、思ったよりスムースに話せました。でも、鳴り止まない電話を聞きながら〈ごめんなさい、でもこれからライヴ増えていくから待っててください〉っていう気持ちになりました」
トギー「お店を回ってるときに、女の子のファンの方から〈私の分もがんばってください〉みたいに言われることが多くて」
マナコ「自己投影してくれてる」
ティ部「Twitterと楽曲公開だけで、まだ何もしてないのに、すでにそう思ってもらえてるのが不思議です。昨日もタワレコにいたら泣いてきた子もいて」
マナコ「BiSのマナコ・チー・マナコって名前が付くことでこうなるのって、おもしろいなと思って。やっぱBiSって凄いんだなって思いました」
——いろんな期待を徐々に感じる反面、プレッシャーもありますよね。
トギー「あります。私たちを見て、〈これなら自分のほうががんばれる〉みたいな感情を抱く方もいるのかな?って思ってて。だから、〈BiSみたいにはなれないな〉って思われるくらい、がんばらなきゃいけないって思ってます」
——現状は〈TIF〉での初ステージとお披露目のワンマンが控えていますけど、たぶん2期のBiSの時と違うのは、過去の曲をもうやらないんですよね?
渡辺「はい。そうです」
——観る人にとってはお馴染みの曲もないし、そこは怖くもあり、新鮮なところでもあるというか。単純に全曲を1から仕上げなきゃいけない状況で。
マナコ「はい。いまはまだ振付けが全部終わってなくて、とりあえずワンマンに向けてひたすらみんなで振付けを考えてます」
——振付けは全部自分たちで?
マナコ「“STUPiD”は特にそうだったんですけど、基本はモンちゃんが作ってきて、それをみんなで手直ししていく感じで進めてます。いまはもうその時間もないので、みんなで分担してやってるんですけど」
チャント「ダンスを習ってたとかの経験はないんですけど、Perfumeさんが凄い大好きで、ダンスを家の鏡の前で真似して、みたいなことをやってて」
——その経験が活かされたんですね。
チャント「かもしれないです。でも、やってて良かった。こんなことになるとはまったく思ってなかったですけど、真似して踊っていたことが振付けのヒントになっていることとかもあると思うので、そこはPerfumeさんにめっちゃ感謝です(笑)」
——最初のBiSも自給自足でしたけど、いきなり自分たちで考えるのは大変ですね。
マナコ「やっぱり引き出しがめちゃめちゃ少ないし、みんなWACKのグループが好きだから、引き出しの中身も偏ってる(笑)。そこから引っ張り出してきても……」
ティ部「既視感しかない(笑)」
——それでも朝から晩まで一緒に考えて。
ティ部「はい、時間の流れが何もわからない状態で(笑)」
マナコ「やることも増えてきたので凄い焦ってて、気持ちはあるのに体力の限界を迎えて寝ちゃったりして、用意していただいてるものに見合うものを考えなきゃいけないのに……っていう不安が大きいです」
——あと、反応は目にされてると思うんですけど、たぶん過去のBiS以上に歌の評価が初めから高いので、そのぶん観る側のハードルも上がってきそうです。
マナコ「経験者もいないのに、ダンスも当然のように踊れると思われていたりするので。〈この曲はバリバリのダンス・チューンになったらカッコイイな〉っていうツイートを見て心が痛くなったりとか」
ティ部「〈パフォーマンスが見ものだ〉とか」
ネオ「確かにね、そうだね」
——まあ、ギュッと一緒に過ごすことで、少なくとも余計な気遣いとかがなくなっていけばいいですね。
マナコ「そうですね。誰かが何かを提案したら、納得いかなくても意見しづらいと思うし、最初はそうだったんですよ。でも〈それって良くないよね〉みたいにトギーが言ってくれて」
チャント「〈ちゃんと言いたいことを言い合わんとダメになる〉って」
トギー「顔合わせの次の日から練習を始めたんですけど、合宿でされたお話とかをメモしてたので、それを見せて、どうなっていきたいかみたいな話をしました」
——グループでやる心得みたいな。
トギー「はい、言いたいことを全部言い合えなかったのが2期だったと思うから。うちらは誰かの行動に思うことがあったら絶対に言い合おうねって話してます」
マナコ「まあ、〈言い合おうね〉って言ってもそう簡単にはいかないですけど、ダンスに関しては、モンちゃんが考えてきたものに、ネオとかも〈いや、これはダサくない?〉みたいに意見するし、ちゃんと言えるような関係になってきてるかなとは思います」
メンバーの歌声を知ってほしい
——はい。そして、今回フル・アルバムの『Brand-new idol Society』でデビューとなりましたが、レコーディングはいつ頃?
ティ部「6月の中旬ぐらいですね。5日間で全部録りました」
マナコ「松隈さんが凄くて。6日間の予定だったけど、5日で終わらせてくださって」
——凄い。何曲かは皆さんが作詞もされてますけど、その作業も同時進行だったんですか?
マナコ「いや、そこは顔合わせする前の段階でやってました。何か2~3日で5~6曲ぐらい」
ネオ「考えなきゃいけないっていう」
ティ部「もう歌詞まで出来てた曲も何曲かあったんですけど、6曲ずつぐらいはみんな仮歌の音源を渡された状態で作詞して、提出してっていう感じでした」
——全体の曲調とかは馴染みのあるものでしたか?
チャント「そうですね」
ティ部「バンドやってた2人は特にね」
マナコ「このアルバム通してサウンドが凄いバンドっぽいと思ったし、単純に曲としてめちゃくちゃカッコイイ曲が多くて。例えば“STUPiD”はめっちゃカッコ良いギター・ソロが入ってたり、ベースラインもめちゃくちゃカッコイイんですよ。だから普通に音楽好きな人とかにも好きになってもらえたらいいなって思ってます」
——その“STUPiD”が皆さんの歌唱で初公開された曲ですね。
トギー「いちばん初めにレコーディングした曲です」
ティ部「それぞれの歌い方とか声の特徴を松隈さんが汲み取りながら、〈じゃあ、君はこの歌い方でいこう〉っていうのを明確に示した感じが詰まってると思います。例えばトギーはギャンギャンギャンギャンする感じだったりとか」
マナコ「何か英語っぽく、とか。トギーのイキすぎてるクセの強さも他の曲より発揮されてるしね?」
トギー「〈歌詞通りに発音しなくていいよ〉みたいなことも言っていただけて、自由に歌えました」
ティ部「他の曲はマイクを変えたりして歌うことも多かったですけど、“STUPiD”はいちばん全員の声の聴き分けがわかりやすいと思います。私のパートもすぐわかってもらったりしたんで」
マナコ「松隈さんがティ部には〈エロく歌え、エロく歌え〉って」
ティ部「エロい……何でしょうね、それ(笑)。エロいつもりはなかったんですけど。それ以降の曲も、基本的にはその方向で歌うことになりました」
——まあ、確かに“STUPiD”はそれぞれの違いがハッキリ出てますし、アルバム序盤から“SURRENDER”とか強い曲ばっかりガンガンきますよね。
マナコ「はい。“SURRENDER”ではシャウトとかデス声が入ってるんですけど、みんな〈えっ、できない〉みたいな感じになったんですけど、その後で1人ずつやったら全員できて(笑)、〈いや、全員できるんか〉って」
ティ部「トギーとか〈ウチ、やったことないねん〉って言いながら、凄い良いシャウトが出てきてね」
マナコ「トギーの声はおもしろくて、飛び道具みたいに使われることが多いんですよ。ただトギー的には喉の負担が」
トギー「そう。でも松隈さんに〈もうシャウトはトギーにしたいって決めてるけん〉みたいに言っていただいたので、嬉しかったですね(笑)。他の曲でもシャウトしてるし、いろんな歌い方できる人になりたくて、松隈さんからいろいろ指示されるのを好きにやってたら、変なところをたくさん使っていただいていて(笑)」
ティ部「トギーは理解が早いので、指示されなくても、トギーが歌ってれば松隈さんは〈これもう止めなくていいから、こいつにはもう自由に歌わせていい〉みたいな」
トギー「嬉しいです」
ネオ「凄いよ」
マナコ「めっちゃ器用だなと思います。そんな柔軟になかなかできない」
ティ部「マナコはガイド・ヴォーカルとして絶対に最初のほうに録音していて、自分が音程を取れなかったので助かりました。〈マナコのやつ流すけん、ちゃんとよく聴いて歌って〉とかあったので」
マナコ「ありがとうございます(笑)」
チャント「松隈さんって、レコーディングの途中でも〈ここ低すぎるから音程変えちゃおう〉みたいな感じで変えたり、例えば“STUPiD”の〈ありきたりのマニュアルをも〉の〈も〉は最初なかったんですけど、〈これ付けよう、音がカッコ良くなるから〉みたいな感じで文字数とかリズムもその場で変えたりするんです」
ティ部「だから、レコーディングはメンバー全員で協力しながら、松隈さんやスタッフさんに支えられてできたので楽しかったです。自分たちが歌ってるのも楽しいし、良い曲が出来ていくな~って思えたレコーディングでした」
マナコ「ただ、Twitterとかで〈めちゃくちゃ上手いじゃん〉って言ってもらえるけど、実際のライヴで皆さんの期待に応えないといけないし、手放しで喜べないです」
ネオ「絶対信じない。ちゃんと加工してもらえてるし、〈上手い〉とか言われても絶対そう思っちゃダメ、って自分の中で決めてます」
マナコ「そこは自分たちの力だけじゃないって言い聞かせて、地に足が着いてるようにしないといけないなって思ってます」
渡辺「めっちゃ地に足が着いてなさそうな喋りを延々してるけどね(笑)」
ティ部「え、違うんですよ。ただ単に好きなんですよ、メンバーの歌声が。知ってほしいんですよ」
渡辺「それは良いことじゃん」
マナコ「ティ部は凄い褒めてくれるんで」
——まあ、良いアルバムが出来上がったのは確かじゃないですか。
マナコ「はい。自己紹介にピッタリなアルバムかなって思ってます」
ティ部「前半に置かれてる曲が圧倒的に強いけど、いままでなかった曲調も多いので、新しいことをやろうとしてるのも感じ取ってもらえると思うし、メンバーの作詞曲も組み込まれてるので、個々のこともイメージしてもらえるアルバムになってますね」
——作詞といえば、今回はチャントさんだけ歌詞の採用はなかったんですね。
チャント「あ、そうなんですよ。最初に16曲あった中では採用されたんですけど、それがアルバムに入らなくて……」
ティ部「けっこう辛そうにしてました」
マナコ「〈私だけ書いてないみたいじゃん〉って」
チャント「最初に〈凄~い、全員選ばれたね!〉って盛り上がってて」
ティ部「1人1曲きたね~みたいな」
チャント「収録曲が決まったら〈はっ、私だけない〉って感じになって、その日は落ち込みながらダンスを練習して、歌も叫ぶように歌ってました(笑)」
——まあ、キープされてる未発表曲ってことで。そのうち日の目を見るといいですね。
チャント「今後、はい。そうですね」
このBiSがBiS
——ちなみに、最後に公開されたアルバムからのリード曲“BiS -どうやらゾンビのおでまし-”のMVはセブ島で撮影されたそうで。良さそうな場所じゃないですか。
マナコ「地名だけ聞いたらそう思った」
トギー「もともと撮影場所がゴミ山って言われていて」
ティ部「うちらは〈ゴミ山ね、ふ~ん〉みたいな感じだったんですけど、ネオが〈え、知らないの?〉って急に動画のURLをポンポン送ってくれて、観たらもう本場のスラムで。全然インスタ映えみたいな感じじゃないです(笑)」
ネオ「そういうゴミ山で働く人たちのドキュメンタリーを観たことがあったので」
ティ部「怖い場所なのかなとか、衣裳も絶対めちゃくちゃ汚れるだろうねって」
マナコ「結果、めちゃくちゃ汚れました(笑)。そこに寝転がってとか言われて、まあ埋められるよりマシかと思ったんですけど。もうハエが凄いし、目と口を開けて歌ったらめっちゃゴミが入るし」
ティ部「自分のパートになるとドローンが近付いてきて、その風でゴミが舞い上がって〈うわ~〉みたいな(笑)。ネオとか途中で泣いてたもんね」
ネオ「目にゴミがすごかった」
マナコ「あと、野犬がいっぱいで、めちゃくちゃ威嚇されて命の危機を感じたり」
ネオ「そう。ゴミの崖みたいな場所で、もう逃げられないじゃん、とか(笑)」
ティ部「トギーに至っては、自分からゴミに突っ込んでいって自爆してたし(笑)」
トギー「自撮りで自由に撮影するっていうパートがあって、走ったり飛んだりしてたら負傷してました。ビックリした」
ネオ「怪我するだろって思って見てたんで、こっちは。〈そうなるでしょ〉みたいな」
トギー「気付かへんかった」
ティ部「あと、撮影初日と2日目で、撮影場所の臭いが違ったんですよ。間に雨が降って、2日目はもうガチで……」
トギー「ウンコ、ウンコの臭い」
マナコ「ウンコとゲロが混ざったような」
ティ部「そのなかで土かウンコかわからないものを投げ合ったりとか(笑)」
——ああ、酷い伝統ですね……。
マナコ「でも、何かハイになって、けっこう楽しかったんですよ」
ネオ「楽しんじゃった」
マナコ「いちばん辛かったのはその後の洗濯でしたね」
ネオ「そこ?」
ティ部「何色だったかわからないコンバースを磨くのは辛かった、確かに(笑)」
——(笑)そうやって身体を張ったMVも出来上がり、初ワンマンの後には9月のツアーも決まって、ここからいよいよ本格的に動いていく感じですね。
マナコ「はい」
——あと、気になったのが、ジャケもそうですけど、アルバムのタイトルが最初のBiSと同じくシンプルに『Brand-new idol Society』で、〈3〉が付いてないことで。
マナコ「それ、思いました。〈えっ、3じゃないの?〉って」
——渡辺さん的にはどういう意図ですか?
ティ部「知りたいです」
渡辺「えっと、お前らBiSじゃないの?」
BiS「BiSです」
渡辺「あ、イトーはBABYMETALが好きなんだもんな」
ティ部「でも私はBiSです。え?」
渡辺「だといいね~。WACKはトレードとか完全移籍とかけっこうあるし」
ティ部「そうじゃないようにしよう」
渡辺「はい。まあ、〈BiSだ〉っていうことですね。まず僕が亡霊というかゾンビを追い払いたいなというのがあって。過去曲の再録がないことでお客さんもわかってくれると思うんですけど。これは〈もう一度BiSを始める〉というより、もちろん3期という位置付けではあるんですけど、彼女たちには何もない状態からBiSになってもらいたいな、という気持ちですね」
——〈もう一度BiSを始める〉んじゃなくて、〈BiSを始める〉っていう。初期の曲をやらないのもそういう理由ですか。
渡辺「そうですね。もうそこもひっくるめて、存在しているBiSはこの5人だと。もちろん元BiSって人たちはいっぱいいて、その呪いだけはどうしても残るんですけど、いまいるBiSはこのBiSだけなので、っていうことですね。ということで、たぶん次の第4期BiSになる時も、同じ『Brand-new idol Society』で出るのかなと」
ティ部「なるほど~って、いやいやいや」
——頷いてたらダメですよ(笑)。
渡辺「アハハハハ。だって1期BiSを理解してるってことは……ねえ?」
マナコ「いまドキッとしましたね」
渡辺「僕はすっごい飽きっぽいんで、みんながんばってください……って、良いまとめになってないですね(笑)」
以上の取材後、〈TIF〉で上々の初パフォーマンスを披露した5人ではあったが……アルバム発売日を控えた8月13日、マナコ・チー・マナコが突然の脱退。これはBiSの名が背負った業なのか、あるいは次なる飛躍の前触れなのだろうか?
メンバーが語る『Brand-new idol Society』全曲解説!
1. STUPiD(作詞:松隈ケンタ×JxSxK 作曲:松隈ケンタ)
本人たちの歌唱が初公開された強烈な爆音チューン。皮肉でツンデレな歌詞を5人の個性的な歌唱でぶちかまし、新たな始まりを宣言した逸曲となっている。
トギー「〈歯切れの悪いオワリカラ〉って、めちゃくちゃ2期のことだねっていう話になって」
ティ部「〈次こそあそこ立てるかな〉もたぶん武道館のことかなとか。でも、〈だいたいが馬鹿しか聞かない歌だし〉からの〈全部嘘だから あいあい愛して〉のくだりが凄い好きで、可愛い歌詞だなって思いながら歌ってます(笑)」
マナコ「いまの私たちが発信するのにピッタリな曲で、いつも練習しながら〈半端じゃ無いな 前世があるの クラクラしちゃう〉っていうところで凄い自分の気持ちにハマるなって思うんですよ。Twitterとかでも〈旧BiSを超えてくれ〉とか〈あの9人を超えられるわけがない〉とか、特に2期BiSのファンの方たちとかからは散々な書かれ方をしてて。そういう状況に対して発信するのに、〈あなたからすごく嫌われたいよ〉とか〈だからクソみたいに道走るよ〉みたいな言葉もピッタリだし、凄い感情移入しやすいです。いまいろんな気持ちを向けてる人に対しての宣戦布告というか、〈やってやるぞ〉って気持ちが入る」
ネオ「伝えるために、力強く歌えます」
2. BiS-どうやらゾンビのおでまし-(作詞:松隈ケンタ×JxSxK 作曲:松隈ケンタ)
MVも公開済みのリード曲。作詞者の一人称的な思いをより具体的に吐露しながらも、壮麗なストリングスと青春マナーの描く疾走感は、過去を振り切って駆け出していく新たなBiSの姿を壮大なスケールで祝福するかのよう。
マナコ「私たちも最初は〈2期のBiSについて歌ってるね〉っていう結論でした。それこそ〈選択が一つしかなかった 迷わず選んだんだ〉は解散のことだし、〈その時僕ら信じあえたら 今も一緒に歩けるのに〉とも言ってるし。けど、振りを作るにあたって考えていったら、これは私たちの始まりの曲なんだって気付けて」
チャント「うん、ドラムが強めの疾走感のある曲っていう感じで、〈行かなくちゃ僕ら〉って力強い雰囲気で録ったんですけど、マスタリング済みの曲を聴いたら、ストリングスも入って、もう、素晴らしく、美しく、爽やかな曲調になっていて。全然ガラッと印象が変わって、羽ばたいていきそうな壮大なイメージだったので、いままでの殻を破っていきたいっていう思いで、振付けもみんなで考えました」
トギー「新しく羽ばたいていくぞ!って」
マナコ「羽ばたくだけじゃなくて、サビでは私たちがいろんなものを壊して作っていくイメージで、見たことないような力強い動きも入れています」
3. SURRENDER(作詞:松隈ケンタ×JxSxK 作曲:松隈ケンタ)
引き続きパワフルな演奏で圧倒してくるが、こちらは曲調の激しさが痛切な心情を浮き彫りにする内省的な仕上がりに。哀しみを帯びたシャウトやデス声が轟く。
マナコ「出だしの〈ずっと探してる 輝くもの〉はネオなんですけど、レコーディングは全員してて。松隈さんがティ部の歌ったのを聴いて、〈これが冒頭にあったらめっちゃクドイけど、凄くイイから入れたいな〉みたいに仰ってて、〈じゃあ、最後に付けちゃおう〉みたいな」
ティ部「その場で決まって。曲が終わったとこでヒグラシが鳴きはじめて……っていう」
マナコ「その時に凄い感動して、松隈さんって遊び心が凄いっていうか、急にそんなアイデアが出てくるのが凄いなと思いました」
ティ部「渡辺さんが“primal.”と“スパーク”に次ぐ自信作みたいなことを言ってたので、歌う時は凄い緊張しました」
4. リフレイン(作詞:松隈ケンタ×JxSxK 作曲:松隈ケンタ)
そこはかとなくビーイング風情もある重々しいミディアム。過去BiS曲の詞も断片的に散りばめながら、タイトルが示唆する通りの〈繰り返し〉を逞しく歌い上げている。
ティ部「〈飛び込む準備もなく進む 泥舟かもな 本当大丈夫?〉って、うちらに言われてるみたいで、ホントそうだなって。いままでのBiSも見てきたので」
マナコ「レコーディングしてた頃とかは、特に不安が大きくて。この先ホントに大丈夫かな?って思う気持ちもあったので、歌詞を見てドキッとしました」
ティ部「〈僕ら消えても 誓いは果たせるんだろう〉とかのフレーズは、聴いてても歌っててもグサッときてしまう。私たちじゃなくてもいいのかな?って」
マナコ「でも、その後に〈でもそうじゃないようにしよう〉って続く流れがめちゃくちゃ美しい。よくよく考えたら〈代わりはいるかもしれないけど、自分たちじゃないとダメなんだ〉ってならないとダメなので、〈誓いを果たすのは私たちだよ〉っていう振付けを考えています」
5. BiS3(作詞:松隈ケンタ×JxSxK 作曲:松隈ケンタ)
当初は渡辺淳之介の歌唱で公開された最初の音源。過去の“BiS”“BiSBiS”を踏襲するかと思いきや、あからさまにKing Gnu風のクールなジャズ・ファンク調となった。
マナコ「最初に聴いた時はビックリしました。実際、松隈さんにも〈King Gnuを意識して〉って言われて(笑)、歌い方も寄せてるんですけど、最初に渡辺さんの歌声で披露された時も〈BiSの新しい可能性が見えた〉とか〈え、この方向ならついていけない〉とか賛否両論いろいろあって。まあ、いままでなかったような曲なので、めっちゃインパクトはあったなって思います」
ティ部「何かになりきりながら歌った感じ。King Gnuっぽい姿を想像してるんで、自然に自分とはちょっと違う感じの人になって歌えてます」
マナコ「ネオは黒人になりきって」
ネオ「そう、難しい難しいって思いながらがんばった」
6. this is not a love song(作詞:竜宮寺育 作曲:豊住サトシ)
アルバム随一の切実さで迫るエモーショナルなナンバー。“WHOLE LOTTA LOVE”や“アゲンストザペイン”などのトラックを手掛けた豊住サトシが作曲し、BiSH“サラバかな”などを作詞してきた竜宮寺育の歌詞も素晴らしい。
チャント「これはもう、曲を聴いたら歌詞がスッて入ってきて……読むのが危うい漢字もあって、〈罅割れる〉とか読めなかったんですけど、〈人に優しくと 優しくと 言われても〉とか、刺さる歌詞が多いです。メロディーも凄いキャッチーで、振付けも一晩で作ることができました」
トギー「超イイ」
マナコ「ね、歌いながら泣きそうになる!」
ティ部「サビの〈最低の人に捧ぐ 良き歌〉っていう部分が、特に曲に合った振付けにできたのでは、と思っています」
7. 1,2,3!!!(作詞:松隈ケンタ×ネオ・トゥリーズ 作曲:松隈ケンタ)
読みは〈ワン、ツー、スリー〉。シンセの立ったエッジーなサウンドにネオ作詞のグロテスクな言葉が躍る。
ネオ「6曲くらい作詞の課題があって、これだけ全然思い浮かばなくて後回しにしてて、凄い時間をかけていちばん最後に書いた歌詞です。他の曲では全部物語みたいに書いてたんですけど、これはストーリーにするのが難しいなと思って、意味がなさそうでありそうな単語を並べてったんですけど。渡辺さんのインタヴューか何かでおもしろかったら採用するみたいなのを見たことがあったので、〈脳みそ〉とか〈心臓〉とかいう言葉を入れたいなと思って。で、サビとかはもう強い曲調に合わせて、全部〈つまらないこと全部ステテコ〉とか、〈駆けろ全身〉とか〈狂え脳内〉とか、何か自分たちの〈これからやってくぞ〉っていう気持ちを書いたんですけど……説明が難しい(笑)。凄い意味がなさそうで、実は意味があるっていうのを、伝わらなさそうに書いたっていうのがあります」
8. absolutely meeeeee!!(作詞:松隈ケンタ×JxSxK 作曲:松隈ケンタ)
アルバム中では異色な愛嬌のあるポップ・チューン……を装いつつ、〈何度話しても聞く耳もたない 運命感じちゃって酔ってる自分に〉などのフレーズは自己主張の肥大ぶりを強烈に皮肉ったようでもあり。
トギー「これはみんな歌い方が可愛いんですよね」
ティ部「〈私を見て~〉って気持ちで、歌い方とかもみんなブリブリしてますね。でも、それに反して、けっこう小馬鹿にしたような表現とかもあって、そこがまた好きなんですよ、このクソみたいな煽りが(笑)。特にトギーの歌い方に凄いハマってて、もうすっごい聴いてて楽しい」
マナコ「我の強い主人公だし、アイドルアイドルしてる感じもアルバムの中で逆に目立つし、凄い自己主張の激しい曲です。合いの手も〈絶対私! 私のはずよ!〉とか、もう合いの手とは思えないぐらい主張がある。でも、〈テンション上げて、可愛く歌って〉みたいに言われて、他の曲は全然そうじゃないから、めっちゃ難しかったよね」
チャント「うん。他の曲は声を張る系が多いんですけど、これはみんな耳に優しい、丸めの声になって歌ってます」
ネオ「ムズかった。歌詞がよく見たら意味ありげな感じだから、その全部の意味を悟られないように、ちょっと頭がホワホワした子の感じを意識して」
ティ部「私もこれはエロなしで歌わせてもらえたんですよ(笑)。ウザったい女で歌わせてもらって楽しかったです」
9. ナンデスカ?(作詞:トギー 作曲:井口イチロウ)
トギーが作詞したチャイルディッシュなスウィング調のナンバー。作曲を手掛けた井口イチロウは、“レリビ”や“BiSBiS”の編曲、“CHANGE the WORLD”の作編曲などで最初期からBiSに関わってきたクリエイターだ。
トギー「私は大人を信用してる側の人間なんですけど、騙そうとしたり、悪いほうに持っていこうとする人もいるので、優しくしてくれる大人を全員信じてたら終わっちゃうよね~みたいな、自分への戒めソングです」
マナコ「集まった最初の頃にマネージャーさんから〈そういう大人に気をつけてね〉みたいな話があって。その、これからいろんな人たちが〈おもしろいから〉とか言って無責任に汚そうとしてくるけど、そういうのを全部鵜呑みにしたらダメだよっていうお話を聞いたんです」
トギー「その話を聞いた直後に〈騙されないぞ〉という気持ちになって書いた歌詞です」
10. thousand crickets(作詞:松隈ケンタ×JxSxK 作曲:松隈ケンタ)
バイオリンではなく〈1000のコオロギ〉。加工された無機質な歌声が仰々しいダークなトラックに響く。
ティ部「この曲がだいぶ好き。イカレ感が好きなんです。コオロギで例えてるのもおもしろくて」
マナコ「これは何だっけ、脳みそ空っぽ人間?」
チャント「人造人間」
マナコ「そうそうそう、〈人造人間になったつもりで歌って〉みたいな感じで。だから、みんなレコーディングしてる時もホントに何も考えてないみたいな顔して歌いました」
ティ部「無、無! 虚無を見つめて。気味悪すぎる」
マナコ「それが良くて。サウンドもめっちゃカッコ良くって、ストリングスの感じとかが激しいのにキレイで美しくてカッコイイ。で、その機械みたいな歌い方がそこに凄いハマってて好きです」
11. teacher teacher teacher(作詞:イトー・ムセンシティ部×JxSxK 作曲:松隈ケンタ)
遠い親戚にあたるBILLIE IDLE®にもどこか通じるような、クセのある80s風味のドライヴ感が新鮮なロック・チューン。キャラを上塗りするようなティ部の詞作も光る。
ティ部「曲をもらったなかで、たぶん最初に書き終わった歌詞で、上京前に新潟で書いてたんですけど、家の前が完全に田んぼなんですね。なんで、授業でやった田植えのことを書いてるんですよ。〈泥まみれ〉で〈先生〉で、まあ、ちょっと思春期が入った感じで」
マナコ「普通にセックスの曲かなって思いますよね……」
ネオ「絶対そうじゃん、だって……」
ティ部「わざとそういうふうにしました。〈ちょっとエロい恋愛ソングなのかな?〉みたいな。エロキャラみたいなのが定着する前だったんですけど、これが選ばれたことで〈あっ、もう完全に……〉ってなっちゃいました(笑)。ただ、〈ああ、泥まみれだったな〉〈足ぬかるんだな〉とか、私的にはそういう思い出です」
12. strawberry girl(作詞:マナコ・チー・マナコ×JxSxK 作曲:松隈ケンタ)
V系好きのマナコらしい美意識系の詞作に導かれて各人が暴れ回るラウド・ナンバー。ノイジーな毒々しさがラスト前をカオティックに散らかしていく。
マナコ「ピアノから入って〈おっ、キレイな曲だな〉って思わせてから、ハードになって裏切ってく感じとか、めっちゃ好きな曲調で。90年代のヴィジュアル系とかが好きなんですけど、わりとそっち寄りなのもあって、自分の中二心に響いたんです(笑)。なので、〈これ絶対に選ばせたい〉と思って歌詞を書きました。歌詞を書く時に仮歌から〈血が流れてる〉って聴こえて、そこから広げて書いたんですけど、サビが〈なぶり殺せ〉を全員で言って、その後のフレーズは一人で歌うみたいな感じになってるんですけど、それが凄い何か、カルト・ソング感が凄い」
トギー「歌詞が凄い」
ティ部「イイ感じに中二病臭いところも私は刺さってくるんですよ。〈希死念慮〉とか〈自己嫌悪〉とか、私も言ってたタイプなんで(笑)」
マナコ「この〈希死念慮〉〈不法占拠〉〈自己嫌悪〉で韻を踏んだりとかしてて。ネオの歌い方とかめちゃくちゃカッコイイし、最後の〈公開処刑〉ってフレーズのトギーのシャウトも、その直前の〈破れ〉って獣が吠えてるみたいなモンちゃんもめちゃくちゃカッコ良く歌っています」
13. LET'S GO どうも(作詞:松隈ケンタ×JxSxK 作曲:松隈ケンタ)
大団円のメロコア・チューン。置かれた位置や歌詞の伝えるメッセージも含め、往年の“レリビ”や“CHANGE the WORLD”のポジションを継承した曲なのは言うまでもないだろう。
マナコ「レコーディングの時に、スタジオにいる大人も全員集まって、最初の〈ワ~〉とか〈ヘイ〉の部分を録ったりしたのが、お祭り騒ぎみたいな感じで楽しかったです」
ティ部「その部分はライヴで絶対に観客の人にも言ってほしいし、〈こんだけの人数で叫んでるんだから、お前らもライヴで絶対やってくれよ!〉っていう気持ちも込めて、大勢で歌ったんですよ」
マナコ「エンディングテーマみたいな感じもあるし、最後に自己紹介みたいに〈こんな僕らだけどよろしくです どうも〉って歌ってアルバム終わるの、めっちゃキレイな流れだなって思います。この位置も含めて凄い好きです」
PAST BiStory 2010-
2010年
【10月11日~】プー・ルイがメンバー選考オーディションを開始。ナカヤマユキコ、ヒラノノゾミ、ヨコヤマリナが合格
【12月2日】プー・ルイの初ワンマン〈ラストダンス〉にてグループ名を公開
2011年
【2月4日】morph-tokyoにて初ライヴ
【3月23日】デビュー・アルバム『Brand-new idol Society』を発売
【4月24日】中野heavysick ZEROにて初のワンマン〈God save the BiS〉を開催
【6月24日】ヨコヤマリナが脱退
【7月24日】下北沢SHELTERにて〈NEVER MIND THE BiS〉を開催。テラシマユフが加入
【8月3日】初シングル“My Ixxx”を発売
【10月19日】タワー限定シングル“nerve”を発売
【12月20日】恵比寿リキッドルームにて〈IDOL is DEAD〉を開催
【12月21日】シングル“primal.”を発売
【12月31日】ナカヤマユキコが脱退
2012年
【1月31日】“豆腐”を無料配信
【4月11日】HMV限定シングル“IDOL”を発売
【4月15日】下北沢SHELTERにて〈Killer BiS〉を開催。ミチバヤシリオ、ワキサカユリカが加入
【7月18日】シングル“PPCC”でメジャー・デビュー
【10月21日】赤坂BLITZにて〈IDOL is DEAD Repetition〉を開催
【10月24日】アルバム『IDOL is DEAD』を発売
2013年
【1月9日】Dorothy Little Happyとのコラボ・シングル“GET YOU”を発売
【3月13日】シングル“BiSimulation”を発売
【3月16日】両国国技館で〈WHO KiLLED IDOL?〉を開催。ワキサカユリカが脱退
【5月26日】渋谷Club Asiaで〈BiS4〉を開催。テラシマユフが脱退。同日の〈BiS48〉でテンテンコ、カミヤサキ、ファーストサマーウイカが加入
【6月26日】シングル“DiE”を発売
【9月18日】シングル『Fly/Hi』を発売
【9月22日】〈おながわ秋刀魚収獲祭2013〉に出演。ミチバヤシリオが脱退
【11月10日】コショージメグミの加入が発表
2014
【1月22日】シングル“STUPiG”を発売
【2月12日】新宿ステーションスクエアでの無料ライヴ〈伝えたいことがあるんだ〉で解散を発表
【3月5日】アルバム『WHO KiLLED IDOL?』を発売
【5月28日】ラスト・シングル『FiNAL DANCE/nerve』を発売
【7月2日】ベスト盤『うりゃおい!!!』を発売
【7月8日】横浜アリーナにて解散ライヴ〈BiSなりの武道館〉を開催
2016年
【7月8日】プー・ルイが再結成を発表
【9月1~3日】合宿オーディションを開催。ゴ・ジーラ、ペリ・ウブ、アヤ・エイトプリンス、キカ・フロント・フロンタール、プー・ルイが合格
【9月4日】中野heavysick ZEROにて再結成ワンマン〈THiS is BiS〉を開催
【11月16日】再デビュー・アルバム『Brand-new idol Society2』を発売
【11月20日】下北沢SHELTERにて〈Brand-new idol Society〉を開催
2017年
【2月22日】アルバム『RE:STUPiD』を発売
【4月2日】横浜赤レンガ倉庫イベント広場で開催の〈WACK EXHiBiTiON〉に出演。アヤ・エイトプリンスとカミヤサキ(GANG PARADE)の期間限定トレードが発表
【5月30日】恵比寿リキッドルームにて〈BAD SOCiAL TOUR〉初日公演を開催。パン・ルナリーフィ、ももらんどがお披露目
【5月31日】シングル“SOCiALiSM”を発売
【10月4日】シングル“I can't say NO!!!!!!!”を発売
【10月6日】赤坂BLITZにて〈IDOL is DEAD Repetition〉を開催。メジャー・デビューを発表
2018年
【1月6日】中野heavysick ZEROにて〈BiS 2nd BEGiNNiNG TOUR〉初日公演を開催。プー・ルイが卒業を発表
【3月4日】両国国技館で〈BiS 2nd BEGiNNiNG TOUR FiNAL WHO KiLLED IDOL??〉を開催。アヤ・エイトプリンスが復帰。プー・ルイが卒業
【3月7日】シングル『WHOLE LOTTA LOVE/DiPROMiSE』でメジャー・デビュー
【3月18日】大阪城音楽堂にて開催の〈WACK EXHiBiTiON〉に出演。YUiNA EMPiREとネル・ネール、トリアエズ・ハナ、ムロパナコ、ミュークラブらを加えた2チーム制への移行を発表
【4月20日】ももらんどの脱退を発表
【7月4日】BiS1stとBiS2ndがそれぞれシングル“Don't miss it!!”を発売
【11月14日】BiS1stとBiS2ndがそれぞれシングル“アゲンストザペイン”を発売
【12月29日】Zepp Tokyoで〈I don't know what will happen TOUR〉最終公演を開催。メンバー5名に戦力外を通告
2019年
【1月1日】ネル・ネールの脱退を発表
【3月20日】シングル“Are you ready?”を発売
【3月18日】壱岐の島ホールで開催の〈WACK EXHiBiTiON〉に出演。解散を発表
【5月11日】マイナビBLITZ赤坂で〈BiS Are you ready to go? TOUR〉最終公演で解散
【6月11日】第3期BiSのメンバー公開
【8月4日】〈TIF〉で初パフォーマンスを披露
【8月13日】マナコ・チー・マナコが脱退
【8月14日】ファースト・アルバム『Brand-new idol Society』を発売
【8月18日】中野heavysick ZEROにて初のワンマン〈THiS is BiS〉を開催
