遠山慶子さんは若き日にアルフレッド・コルトーの教えを受け、フランス音楽の極意を身につけたピアニストで特にドビュッシーの大家です。今回、自身が中心的に役割を果たしている草津夏期国際アカデミー&フェスティバル(1979年~) におけるドビュッシーの未発表ライヴ音源がリリースされました。目を引くのは1985年収録の“チェロのプリンス”ピエール・フルニエと共演したチェロ・ソナタ。フルニエ最晩年の融通無碍の至芸に遠山さんが粒のくっきりしたタッチで応え、コクのある響き合いが展開します。2018年収録のソロ作品、《西風の見たもの》などにおける瑞々しくパリッとした色彩美も見事です。
遠山慶子、イェルク・エーヴァルト・デーラー、群馬交響楽団、ピエール・フルニエ『ドビュッシー: ピアノと管弦楽のための幻想曲 遠山慶子、ドビュッシーを弾く』ドビュッシーの大家による未発表ライヴ音源
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