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ウィ・バンジョー・スリー

ウィ・バンジョー・スリーは、その名の通りバンジョーを中心に、ギター、フィドル、マンドリンなど駆使し、アイリッシュ・トラッドとカントリーを自由奔放に躍らせる4人組だ。〈アイルランドのパンチ・ブラザーズ〉と呼ぶメディアもあれば、〈ケルト・グラス〉と彼らへの創意に敬意を表すメディアもある。

彼らは2011年、アイルランドのゴールウェイで結成。エンダ&ファーガル・スカヒル、マーティン&デイヴィッド・ハウリーの二組の兄弟からなる。リーダー格のエンダ・スカヒルは、〈バンジョーの魔術師〉とも呼ばれる名手だ。その彼が、米国南部でブルーグラスやアパラチアン・ミュージックと出会ったことから、それまでアイリッシュ・トラッドでは脇役のような存在だったバンジョーに可能性を見出したことから、すべてが始まった。

〈ROMP 2018〉でのパフォーマンス映像
 

マーティン・ハウリーも、そのエンダに劣らぬバンジョーの名手で、他にもマンドリンやギターもこなす。マーティンの弟デイヴィッドは、ギターを弾き、リード・ヴォーカルを担当する。そして、この3人にエンダの弟で、主にフィドルを担当するファーガルが加わって現在の編成になった。

2012年にデビュー・アルバム『Roots Of The Banjo Tree』を発表、地元アイルランドのメディアでは年間最優秀新人賞に輝くなど大歓迎された。その後は、ヨーロッパ諸国やアメリカへの遠征で評価を決定づけ、2016年の『String Theory』は、ビルボードのワールド・ミュージック・チャートで初登場1位を記録。最新作となる『Haven』では、いちだんとアンサンブルはスケールアップし、歌心が飛躍的に豊かになっている。兄弟という気の置けない関係だけに、ステージでは各自が自由にふるまいながらも一体感のある演奏で楽しませてくれるだろうし、その和やかなムードは客席に元気と笑顔をもたらしてくれるはずだ。

WE BANJO 3 Haven We Banjo 3/PLANKTON(2019)

2019年作『Haven』タイトル・トラック