インタビュー

Gecko & Tokage Parade『The Art of Tokage』 攻めのインストを鳴らす4人がPlaywrightでの初作を語る!

Gecko & Tokage Parade『The Art of Tokage』 攻めのインストを鳴らす4人がPlaywrightでの初作を語る!

 fox capture plan、bohemianvoodooらを擁するジャズ/インストゥルメンタルのトップ・ブランド、Playwrightからまた新しい才能が世に放たれた。その名はGecko & Tokage Parade。ソロでも活動するピアニストのGeckoことWataru Satoを中心に、エレクトリック・ギターを含む強力な4人の個性とキャッチーなメロディーが絡み合うスタイルで、Playwright加入以前からジャズ/インスト好きの耳目を集める存在だったが、もともとジャズのイメージはまったくなかったというからおもしろい。

 「3年前に自主で出したアルバムは、〈J-Rock〉のジャンルに置かれてたんですよ。そしたらタワーレコード横浜ビブレ店のバイヤーさんが〈J-Jazzのコーナーに置いたら売れるんじゃないか〉と言ってくれて、コーナーを移したらいきなり売れて、それをきっかけに全国に広がっていったんです。その後のインストア・ライヴをMotion Blue YOKOHAMAの方が観に来てくださって〈ライヴをやらないか〉と声をかけてくれたり、すべてが良いタイミングだったんですよね。Playwrightに入るきっかけを作ってくれたのもfox capture planの(井上)司さんだし、いい人たちに出会えてここまで来た感覚があります」(Sato)。

 作曲の手法は、主にSatoが出したリフを元にセッションで組み上げていくスタイル。ソロではエレクトロニカ/アンビエントに手を染める彼に、アシッド・ジャズやファンク好きなベーシストの中山拓哉、どジャズがルーツだというドラマーの穴山昴、ミニマルやポスト・ロックを好むギタリストの黒澤継太郎、とバラバラのセンスが合体して生まれる音は、どこを切っても透明感あるリリシズムが漂うメロディアスなもの。ニュー・アルバム『The Art of Tokage』には、一聴して他のジャズ/インスト系とは一線を画す心地良い揺らぎがある。

Gecko & Tokage Parade The Art of Tokage Playwright(2019)

 「僕は今年の1月に加入したんですけど、聴いてすぐ〈あ、ギター変わったな〉と気付くぐらい、自分のエッセンスを入れられたかなと思います。1曲目“C”は僕がリフを出したんですよ。以前は速い曲が多かったけど、今回は1曲目から渋いというか大人っぽい。すごく気に入ってます」(黒澤)。

 「“Art”はドラムのフィルインから入る曲で、マイケル・ジャクソン“Rock With You”のフィルをそのままやってます。マイケルを知らない人がクラシックと呼ばれる王道の曲を知ってくれれば、自分たちの音楽も深く聴いてもらえると思うし、そういう楽しみ方もしてもらいたいです」(穴山)。

 「アルバムを通して引き算がうまくできたと思います。バラードの“day light, city light”やヴォーカル曲“innocence”は、前よりも音数を減らすことで空間がはっきりして、それでも全然退屈にはならない。気持ちいい空間の使い方ができてると思います」(中山)。

 「僕がいちばん攻めたと思うのは“Roundabout”で、クリックなし、一発録り、パンチインなし。ロンドンのR&B/ジャズ・シーンで活動してるアルファ・ミスト、トム・ミッシュとかを聴くと、すごくイイんだけど良い意味で大雑把なんですよね。そこもちょっと意識して、いまの時代の録り方とは真逆なことをしてみました。昔はみんなそうだったけど、いまやることで新しいものができたかなと思います」(Sato)。

 MVも作られた“Moon”には爽やかな疾走感と流麗なメロディーがあり、スロウの“Colorful”やヴォーカルに佐々木みおを迎えた“innocence”などにはシルキーな手触りの美メロがある。Satoが敬愛する坂本龍一“Thousand Knives”の、愛情たっぷりなカヴァーも聴きどころだ。ジャンルはジャズ/インストだが、受け手のセンスによってさまざまなプレイリストが組めるであろう魅力的なラインナップ。『The Art of Tokage』=トカゲの技法がより多くのリスナーの耳をとらえる準備は整った。

 「Playwrightの枠を広げて、リスナーの層を広げて、レーベル内の第三勢力みたいな場所に行ければいいですね。CMタイアップや劇伴もやりたいし、海外にも行ってみたい。やりたいことはたくさんありますよ」(Sato)。

 


Gecko & Tokage Parade
Wataru Sato/Gecko(ピアノ)、黒澤継太郎(ギター)、中山拓哉(ベース)、穴山昴(ドラムス)から成るインストゥルメンタル・バンド。2013年に結成され、同年に自主レーベルのTokage recordsからGeckoのソロ名義作『Planetary Souls』をリリースする。2016年にバンド名義でのファースト・アルバム『Tokage Paradise』を発表し、以降も2017年に『Wind.e.p』とセカンド・フル・アルバム『Nomadic Flow』、2018年に『Flower.e.p』、とコンスタントに作品を重ねていく。今年に入って9月にPlaywrightからcolspanとのスプリット盤『color & monochrome 3』を発表。話題を集めるなか、ニュー・アルバム『The Art of Tokage』(Playwright)を12月4日にリリースする。

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