こんにちは。TOWER DOORSスタッフです。

2019年は日本のインターネットから、さまざまな新人アーティストが現れた年であると感じています。それは長谷川白紙のように、カテゴライズ不能な音楽を作り出す天才たちです。例えば、TOWER DOORSでも以前ご紹介した浦上想起は、早耳リスナーの間でも今年、とても話題になった新人でした。

今回、TOWER DOORSのメール・インタビュー〈6つの質問〉に登場してもらうのは、そんな分類不可能な音楽を作り出すアーティスト。また、これまでメール・インタビューに答えてくれたアーティストの楽曲を再生リストにまとめていますので、記事と併せてぜひご覧ください。

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それでは、”MELTING POINT”という楽曲を提供してくれた、今回の主役であるMON/KUに登場していただきます。彼のことは、TOWER DOORSがアーティストを猛プッシュする企画〈POWER PUSH!!!〉の第3弾にも選出しました!

MON/KUは、2018年の暮れから活動を開始し、今年1月にSoundCloudにファースト・シングル”S I N K”を発表。

僕も当初、〈やばい新人現れた〉と驚き、James BlakeやArca、SOPHIEの音楽を初めて聴いた時と同じくらいの衝撃を覚えました。アンビエントな質感に、ノイズやインダストリアルを織り交ぜたエレクトロ二ックなサウンドを聴くと、まるでダークでディストピア的な世界に迷い込んだかのような感覚に。なんといってもファルセットを駆使した彼の歌声にも痺れました。

さらに驚きなのは、〈音楽経験なし、楽器も弾けない、イメージのみでDAWを用いて作曲した〉というプロフィールです。そんなことを一切感じさせないクォリティーと才能を兼ね備えていると感じました。

そんなMON/KUが満を持して、8月にデビューEP『m.p.』をリリース。その才能を世に知らしめました。

というわけで、MON/KUは一体何者なのか、彼本人への〈6つの質問〉から明らかにしていきましょう。

 

1. 出身地と音楽活動を始めたきっかけ(バンドであれば結成のいきさつ)について教えてください。

「栃木県出身です。音楽を始めたきっかけは2018年の暮れにThe Weekndのライブを観たことですね。かなり感動したんですよ。触発されて〈自分も表現がしたい!!〉と高まってしまいまして…。勢いそのままにDAWを購入して作曲を始めた形です」

2. 現在の音楽性に影響を与えたと思うアーティストや楽曲は?

「特にジャンルにこだわらない聴取の仕方をしてきたつもりなので絞るのがちょっと難しいのですが、ポストロックやエレクトロニカ、アンビエントなどに傾倒していた時期が割と長くて、それらのジャンル特有の音進行とか時間感覚には特に影響を受けてると思います

昔好きだったmatryoshkaという日本のユニットがいて、この間『Laideronnette』というアルバムを久し振りに聴いてみた際に自身への影響を強く感じましたね」

3. 今回TOWER DOORSで紹介した曲はどんなふうに生まれた曲で、どんなことを表現していますか?

“MELTING DOWN”

「まず、僕の曲作りって頭の中にあるイメージ(映像)に音を付けていく作業がほとんどなんですが、この曲を作る時は頭の中に二つの断片的なイメージが流れていて、一方は生、もう一方は死のメタファーになっているように感じたんです。

それぞれのイメージに相応しい音を付けてやって、その音同士を組み合わせていきました。感覚としては異なるレイヤーを重ね合わせたり、二色の絵の具を混ぜ合わせて新しい色を作るような感じです。複雑な匂いのする楽曲になったと思います」

4. 交流のあるアーティストでいま注目しているのは?

浦上想起松木美定の二人に注目しています。彼らの楽曲は理論に裏打ちされた複雑な構成でありながら聴感はとてもポップで親しみやすくて。そのバランス感が最高なんです。ネクストブレイク間違いなしかと!」

5. TOWER DOORSは新しい音楽との出会いを提供することをコンセプトとするメディアですが、あなたが最近出会った新しい音楽は?

「これはもう長谷川白紙です。皆さん、新しい音楽をお求めであれば長谷川白紙を聴いてください。先日『エアにに』というアルバムをリリースされましたが、これがもう、最初から最後まで未聴感満載のすごいアルバムです。ジャンルで括ることの出来ない、未知の領域まで突き抜けた音楽。大傑作だと思います」

6. ライヴやリリースといった今後の活動や、やってみたいことなど、これからの展望について教えてください。

「今は次のアルバムの事だけを考えています。今年の8月に1st EPとなる『m.p』をリリースしたのですが、そこに収録されている楽曲のほとんどはEPという形でパッケージングされる事を想定して作られたものではありませんでした。割と雑多に、色々な物に影響を受けながらそのときにやりたいことを形にした曲が多かったので、EPとして纏まりを出すのには結構苦労しました。今はその頃と違って、アルバム(名盤)を作るという明確な目標を意識しながら楽曲を作っています。きっといいものができると思います。楽しみにしていてください」

 

交流のある、いま注目しているアーティストとして浦上想起と松木美定を挙げているように、MON/KUとともに彼らが一つの音楽シーンを築き始めていると改めて感じました。以前、浦上想起にメール・インタビューを行ったときも、松木美定の名前を挙げており、彼らの繋がりは、とても強固なのだとわかりました。

そんな3人が一堂に会するライブが、なんと年が移り変わる12月31日(火)~2020年1月1日(水)にかけて東京・下北沢440で行われます。ほかにも、君島大空やuami、honninman、神様クラブなど、今旬なアーティストたちが集結するイベントです。今年の年越しは、このライブで決まりですね!

 


LIVE INFORMATION
Count Down Live 2020
2019年12月31日(火)~2020年1月1日 下北沢・440
開場/開演:23:00/23:45
共演:uami/honninman/解体ザダン壊/浦上想起+松木美定/MON/KU+Kuu/神様クラブ/君島大空
前売り/当日:3,000円/3,500 円(いずれもドリンク代別)
チケット(e+):https://eplus.jp/sf/detail/3142930001-P0030001