これは、スマート・アシッド!?ジャズ
テイラー・マクファーリンの父親は、あのボビー・マクファーリン。器楽的唱法を駆使したスタイルで知られるジャンル越境系シンガーで、指揮者でもある才人だ。こんな父親と同じく、テイラーも多彩な側面を持ち、さらには彼の音楽もヒップホップやジャズ、エレクトロニカ、ネオ・ソウルなどいくつかのジャンルに跨っている。このことを物語るのが、『アーリー・ライザー』に参加しているミュージシャンの顔ぶれだ。ロバート・グラスパー、マーカス・ギルモア、サンダーキャット、エミリー・キング、セザール・カマール・マリアーノ……そして父親も参加している。
「僕のもっとも重要な音楽的バックグラウンドはヒップホップ。10代の頃はリリックより音作りに興味があったので、DJプレミアやRZA、J・ディラなどに注目してヒップホップを聴いていた。ただし、現在の僕自身はサンプルは使わず、まず自分が理想とする音のイメージを頭に浮かべ、自分で楽器を演奏し、それらの音源をコンピュータで編集してバックトラックを作る。これが、僕の曲作りのやり方なんだ」
テイラーは、キーボードやベース、ドラムス、ギターを演奏、ドラム・プログラミングも手掛ける。
「キーボードは、誰かとジャムセッションができる程度には演奏できるけど、あとの楽器はどれもマスターしているとは言えないな」と本人は謙遜するが、マルチ器楽奏者だ。それだけに、同じくマルチ器楽奏者兼自作自演歌手であるスティーヴィー・ワンダー、プリンス、そしてシュギー・オーティスに共感を覚えるという。
「たしか05年だったと思うけど、一緒にバンドを組んでいた仲間が、シュギーの『インスピレーション・インフォメーション』を貸してくれた。僕がやりたいことをやっていると思ったよ。僕は70年代のソウルやファンクが好きだから、なおさら心惹かれた。僕はサンフラシスコ出身だけど、高校時代をミネアポリスで過ごした。だから当時ペイズリー・パーク・スタジオでプリンスのライヴを観たことがある。実は、ある時期まで彼がマルチ器楽奏者であることは知らなかったんだけど、影響を受けていることは間違いない」
『アーリー・ライザー』は、将来への期待を膨らませるファースト・アルバムだ。この尖鋭的なトラックメイカーが見据えている自身の将来は――。
「セカンド・アルバムでは、自分の歌をバックトラックに匹敵するレベルにまで向上させたい。それと他のアーティストのプロデュースやリミックスも積極的にやっていこうと思っている。サンプルとループに耳が慣れてしまっている世代のリスナーにライヴ・ミュージックの素晴らしさを伝えるためにもね」
LIVE INFORMATION
テイラー・マクファーリン単独公演決定! 5月、新木場ageHaで開催されたブレインフィーダー4に出演し、そのライブが大絶賛を浴びたテイラー・マクファーリンが、数多く寄せられた熱い要望に応え、急遽単独公演で再来日決定!
大阪:2014年9月25日(木)東心斎橋 CONPASS
東京:2014年9月26日(金)渋谷 WWW
more information>>>http://www.beatink.com/Events/TaylorMcFerrin/