INTERVIEW

TAYLOR McFERRIN 『Early Riser』

偉大なジャズ・シンガーを父に持つマルチなプロデューサーが、ブレインフィーダーからソウル、ヒップホップ、ベース・ミュージックをブレンドした初のフル・アルバムをリリース! 

TAYLOR McFERRIN 『Early Riser』

 グラミーも受賞している偉大なジャズ・シンガーボビー・マクファーリンを父に持つテイラー・マクファーリンジャズをベースにヒップホップなどをブレンドしたクロスオーヴァーな処女作『Broken Vibes EP』から待たされること8年、2011年のシングル“Place In My Heart”を経て、ついに彼がブレインフィーダーからファースト・フル・アルバム『Early Riser』をリリースした。作曲やトラックメイキングに始まり、ピアノ、キーボード、ドラムス、ベース、ギターの演奏からヴォーカルと、今回の制作に関するさまざまなパートを自身で担ったという。

TAYLOR McFERRIN Early Riser Brainfeeder/BEAT(2014)

  「音楽一家で育ったから、音楽は幼い頃から自分の周りにあるあたりまえのものだった。本格的なレッスンはあまり受けたことがないけど、子供の時にピアノを習ったりして、それが自分にとってメインのものさ。あとは自己流でいろいろ覚えて、ロックやヒップホップ系のバンドでドラムを叩いていたこともある。キーボードはある程度プレイできるけど、他はそこまで上手いわけじゃないよ。だから、いろいろ試行錯誤しながら作っていくんだ。アルバムではAbleton Liveでサウンドの骨格を作り、そのうえで必要な楽器を加えていった。例えばドラムもハイハットやスネアをバラバラに演奏して、そのサンプリングを最終的にまとめてフルドラムみたいに聴こえるようにしたり……とかね。パズルみたいな感じで作っているんだよ」。

 多彩な参加ゲストも『Early Riser』の注目すべき点だ。テイラーと同じニューヨーカーではロバート・グラスパーに加え、女流シンガー・ソングライターのエミリー・キングチック・コリアらとの共演で知られる若手ドラマーのマーカス・ギルモア。レーベルメイトではベーシストのサンダーキャットや、〈次世代のビョーク〉とも評されるライアット。さらにはハイエイタス・カイヨーテの紅一点シンガーであるオーストラリア出身のナイ・パームブラジル出身の大御所ピアニストであるセザール・カマルゴ・マリアーノ、そして父のボビーと、さまざまな分野や年代のミュージシャンが集っている。

  「みんな友達だけど、セザールに関してはスペシャルな経緯があったよ。そもそも、彼の『Sao Paulo Brasil』(77年)っていうブラジリアン・フュージョン作品がマイ・フェイヴァリットな一枚なんだよね。そのことをいろいろなインタヴューで話していたところ、本人の耳にも入り、Facebook経由で繋がったんだよ。彼はいまニュージャージーに住んでいるから、実際に会って食事をしたりして親しくなって、そこからコラボが始まった。で、トラックを親父に聴かせたら凄く気に入って、セザールと親父と別々にセッションしたものをまとめ、アルバム収録曲“Invisible/Visible”が完成したってわけ。“Already There”もロバート、サンダーキャット、マーカスのパートは別々に録って、その3つのレコーディングをミックスし、ひとつのセッションみたいにした。マーカスはアルバムで5曲に参加してもらったんだけど、ロバートやサンダーキャットも認める凄い奴さ。まだ若いのに、彼のドラムはクレイジーなくらいハイレヴェルなんだ。彼のおかげでサウンドに壮大さが生まれたし、プログラミングではできない、すべてがライヴ・プレイというオーガニックな要素をこのアルバムにもたらしてくれたと思う」。

 本作からはテイラーのなかにある多様な音楽性──ジャズ、ソウル、ヒップホップ、ベース・ミュージック他──を感じ取ることができ、そのうえで彼のナチュラルなフィーリングや感情が伝わってくる。

 「アルバムには全体を通して共通するサウンドがあるんだ。僕はいろんなタイプの音楽が好きで、サウンドはさまざまな方向に広がって行くけど、それはどれも自分の内から発せられるものだよ。『Early Riser』では自分のなかにある異なったパーソナリティーや、これまで経験してきたことを表現していて、ここ何年かの人生の日記みたいな一枚になったね」。

 【参考動画】テイラー・マクファーリン & マーカス・ギルモア 〈BRAINFEEDER 4 TOKYO〉でのライヴ映像

 

 

PROFILE/テイラー・マクファーリン

ブルックリンを拠点とするプロデューサー/キーボーディスト/ビートボクサー/シンガー・ソングライター。オペラ歌手のロバート・マクファーリンを祖父に、ジャズ・シンガーのボビー・マクファーリンを父に持ち、幼い頃から音楽に親しんで育つ。2006年にファーストEP『Broken Vibes EP』をリリース。その後、〈グラストンベリー〉や〈ビッグ・チル〉などのフェスに出演するなど、精力的なライヴ活動を展開する。一方で、タイディーゴホセ・ジェイムズなどの作品に参加。2011年にブレインフィーダーと契約し、シングル“Place In My Heart”を発表。このたびファースト・フル・アルバム『Early Riser』(Brainfeeder/BEAT)をリリースしたばかり。

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