強烈なジャケットに豪華客演陣、もちろん内容の凄まじいド変態っぷりで一大出世作となった『Drunk』より3年ぶり、スリムになった体躯とは裏腹にうねりまくったベースラインと持ち味の透き通るファルセットを引っ提げ、自身とフライング・ロータスの共同プロデュースで通算4作目が完成。ハイムの3姉妹が友情出演したMVも最高の仕上がりだった先行カット“Dragonball Durag”、スティーヴ・レイシーと元スレイヴのスティーヴ・アーリントン、チャイルディッシュ・ガンビーノまで招いた“Black Qualls”などのリード曲を軸にし、ベーシストとしての才覚を発露させたスキットを随所に潜ませながらさらりと聴かせてしまう手腕は生来のバランス感覚によるものだろう。会心の一枚だ。