ベッカ・スティーヴンスというアーティストは、作品をリリースする毎に前作からの期待値を軽く超えるものを生み出してきた。壮大なスケールを打ち出した2017年発表の『Regina』に引き続き、本人ソロ名義でのリリースとなる本作は、よりクリエイティブな側面が強く反映され、プログラミング等のエレクトリックな音像が強調された作品に。曲毎に様々なアーティストが参加し、異なるプロダクションによって、彼女の代名詞である緻密なコーラスワークがより美しく浮き上がる。もう一つの特徴であったアコースティックなテクスチャーは控えめだが、かえって彼女の声の素晴らしさが際立った印象。