2020年のソロ作『Wonderbloom』では、エレクトロニクスを駆使した実験的音楽を、ほぼ同時期に録音されたイーラン・メーラーとのデュオ作『Pallet On Your Floor』では、アコースティックなピアノとヴォーカルのデュオと、固定観念を覆す多様な作品でファンを楽しませてきたベッカ。多作と言える彼女の最新作は、ベッカの音楽性の根底にあるフォーキーなサウンドをベースとしていて、チャランゴなどの弦楽器の繊細な響きとベッカらしいメロディー使いに、中近東音楽の要素が加えられ、楽曲に奥行きと深みを与えている。ヴォーカル表現の豊さも素晴らしいの一言。