Page 2 / 6 1ページ目から読む

5年越しの再会

――まずミュージシャンのお2人、伊藤さんと櫻木さんは繋がりがあったんですか?

伊藤暁里(Taiko Super Kicks)「2015年に対バンしてるんです」

櫻木大悟(D.A.N.)「そうそう。そのとき僕らは、ライブをするのがまだ1回目か2回目くらいで」

伊藤「けっこう鮮明に覚えてる。〈ポーティスヘッドっぽいよね〉〈マイケル・フランクス、好きなの?〉みたいな話をして」

――城監督と伊藤さんの繋がりは?

伊藤「実は、MMT(Modern Music Troop)っていう早稲田大学のサークルでちょっと一緒だったんですけど、深い繋がりはなくて」

城真也(映画「アボカドの固さ」監督)「きちんとやりとりをしたのは、 “低い午後”のミュージック・ビデオ(2016年)の撮影のときでしたよね」

伊藤「あのMVは2016年の元日に撮ったので、2015年から話をしてたんです。それで思い出したんだけど、D.A.N.と対バンしたのも2015年で、“低い午後”を初めてやったのがそのライブだったんですよ」

城真也が監督したTaiko Super Kicks“低い午後”のミュージック・ビデオ。城はこのほかにTAMTAM、阿佐ヶ谷ロマンティクス、河内宙夢&イマジナリーフレンズ、本棚のモヨコらのMVの監督やライブ撮影を行っている

 

失恋男の日常 × 冷たい電子音

――5年越しで3者がコラボレーションしているというのはすごいですね。櫻木さんと城さんの繋がりはいつから?

&櫻木「……2000年から(笑)」

「深沢にある、とある小学校で出会いました」

――同級生なんだ!?

「そうです。中学卒業から高校入学にかけて近い界隈で音楽を始めて、それぞれのバンドで活動してました。その後も友人関係は続いてたんですが、今回、僕が長編映画を撮ったから音楽をやってほしいとオファーをして」

――どうして櫻木さんに頼もうと思ったんですか?

「失恋男の日常を淡々と描く映画に、冷たい質感の電子音を付けたいというアイデアがあったんです。ただ、リズムが立ったサウンドより、アンビエントっぽいものをイメージしていたので、今回はD.A.N.というよりはソロでやってほしいと思い、大悟にお願いしました」

――櫻木さんにオファーしたのはどの段階で?

櫻木「僕はDJとしてエキストラで参加しているんですけど、撮影のときに音楽をやるかどうかは決まってなかったかな」

「DJシーンの撮影段階で、音楽をやってもらいたいという話はちょっとしたかも。タイミングを見て、正式にお願いしたと思います。大悟がDJでかけている(篠崎)奏平の曲のリミックス(FLATPLAY“Natural Theft (Daigo Sakuragi remix)”)を使わせてほしいとは言ってたんだよね」

櫻木「差し替える話もあったんですけど、あれ以外思いつかなくて。もっとかっこいいのを作れたかもしれないけど(笑)」

FLATPLAYの2018年作『First Extended Play』収録曲“Natural Theft (Daigo Sakuragi remix)”