Mikiki編集部員とTOWER DOORS担当・小峯による、最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉は、毎週火曜(歌謡)日に更新中。今週は第61回です。紹介した楽曲はSpotifyのプレイリストにもまとめているので、併せてお楽しみください。 *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

Spotifyプレイリスト
 

【天野龍太郎】

シバノソウ “あの夏の少女”

今週の一曲。ストレートに〈夏〉を歌った、どこまでも清々しいオルタナティヴ・ロック。一人称が〈俺〉っていうのも最高。ライブで聴きたいですね。シバノソウさんのファースト・フル・アルバム『あこがれ』は、6月17日(水)にリリース。楽しみ!

 

CHAI “Ready Cheeky Pretty”

〈私たちは猿である〉とCHAIは歌う。ほんとにそうだ。私だってそうだ。シンセ・ブラスとベース、ドラム・ビートが生む、なんとも言えないグルーヴが素晴らしい。実は先週、連載〈Pop Style Now〉のプレイリストにひっそりと紛れ込ませました。

 

THE NOVEMBERS “理解者”

ニュー・アルバム『At The Beginning』のなかでも、もっともヘヴィーな、そしてもっともインダストリアル・ロック色が濃い一曲。〈サビ〉と呼べる部分がノイズと苛烈なビート、シンセサイザーのシーケンスで構成されているあたりに注目。

 

藤井 風 “キリがないから”

〈J-Popの心躍る最前線〉と私が勝手に呼んでいる藤井 風さんの新曲。サビが〈Ah〉だけで成り立っている構造に腰を抜かす。簡潔な言葉で聴き手をはっと驚かす作詞センスも強烈。ほんとにすごい歌い手だと思います。

 

岡田拓郎 “New Morning”

ウィルコの“I Am Trying To Break Your Heart”や“Poor Places”をほうふつとさせる、ノイズとギターとが絡まり合うイントロからわくわくする。そんな静かな胸の高まりを柔らかく受け止める、ゆったりとした簡潔なドラムのビート。夢幻のフォーク・ロック。後半のドローンの美しさといったら……。

 

川本真琴 “ストーリー(スカートのカヴァー)Live at Shibuya Quattro, Nov 9th, 2013”

川本さんがYouTubeチャンネル〈かわもっちゃんねる〉を開設(いつもながら、すごいネーミング・センスだ!!)。まず公開されたのは、スカートの名曲“ストーリー”のど直球なカヴァー映像。澤部さんの曲を女性が歌うとなんだか、まったくちがうふうに聴こえますね。〈かわもっちゃんねる〉では他に、テニスコーツ“光輪”のカヴァーを聴けます。さらに5月24日(日)には無観客ライブ〈星空キャンプ〉を生配信するそうです。楽しみ。さらにオフィシャルストア〈川本真琴天国〉では、地元・福井でのライブ映像も販売中!

 

入江陽 “5月 (PARKGOLF Remix) [202005]”

入江さんの“5月”(2016年作『SF』収録曲)をPARKGOLFさんがリミックス。キャプションには〈歌も「いまの気持ちで」歌い直したらしい〉とあります。つまり、ほぼ新曲。〈オンライン飲み〉と淡いラブ・ストーリーをテーマにしたミュージック・ビデオがぐっとくる。

 

あっこゴリラ “SayHello”

なんとビッグ・ビート! というよりも、プロディジー“Firestarter”へのオマージュ!! 〈当事者〉というワードを力強くラップするあっこゴリラに勇気づけられます。

 

重盛さと美 feat. 友達 “TOKYO DRIFT FREESTYLE”

〈feat. 友達〉っていうのに笑っちゃいました。

 

玉名ラーメン “angels garden”

玉名さんのニューEP『sour cream』から。深い水の底から響いてくるかのような、ミニマルでゴーストリーなつぶやきとキックの音。あまりにも不穏な環境音楽、というか。

 

【小峯崇嗣】

SPENSR “Pungent Dream”

カズキ_ウツミが2019年より始動させたソロ・プロジェクト、SPENSRが5月13日にファースト・アルバム『MOTHERBOAD』をリリース。ブラック・ミュージックをベースにしたサウンドと、浮遊感のあるシンセとカッティング・ギターがクセになる一曲です。Kan SanoやShin Sakiura好きにぜひおすすめしたいです。

TOWER DOORSからはSPENSRにメール・インタビュー〈6つの質問〉を行っています。影響を受けた音楽や今作のことについて語ってもらっていますので併せてチェックしてみてください。

 

Genya ”話”

福岡を拠点に活動するシンガー・ソングライター、 GenyaがセカンドEP『looks simple but』をリリース。前作までの英語詞から一転し、今作は日本語詞の響きや美しさを意識して制作したとのこと。作品のラストを飾る楽曲”話”は、滑らかでジャジーなサウンド、彼の淡く甘美な歌声が交じり合った一曲に仕上がっています。

 

Downtown Market “Lover in the Snow”

東京を拠点に活動する2組のインディー・ロック・バンド、Downtown Marketが、ウィーザー(Weezer)のフロントマン、リヴァース・クオモのソロ作から”Lover in the Snow”のカヴァー曲を5月15日にリリース。原曲よりバンド・サウンドにして、煌びやかなシンセ・サウンドも追加したインディー・ポップな曲に仕上がっています。

 

前田大樹 “Darling”

シンガー・ソングライター/トラックメイカーの前田大樹のデビュー・シングルをご紹介。90年代のR&Bやネオソウルから影響を受けたメロウなギターのストローク、シルキーで渋い歌声と時々垣間見えるファルセットな歌声がマッチした一曲です。

5月27日(水)にはデビューEPがリリースされるとも告知されており、その作品も楽しみです。

 

Tommi Crane “outside the cage”

バイリンガル・ラッパー/プロデューサーのTommi Craneがニュー・シングル”outside the cage”をリリース。英語と日本語を織り交ぜたラップが印象的な一曲です。

TOWER DOORSでも以前”Crane Theory”を紹介していますので、ぜひこちらもチェックしてみてください。

 

【田中亮太】

S亜TOH “2084”

アーティスト・コレクティヴの〈東京亜種〉を運営し、ポスト・コロナの世界を見据えたプロジェクト〈2021survive〉にも関わるS亜TOH。WaaterやUs界隈にも繋がる2人組が新曲をリリースしました。バブルガム・ベースもダーティー・サウスも摂取しまくってなお気を紛らわせないいま、向かう先はハイパースペース。

 

YONA YONA WEEKENDERS “東京ミッドナイトクルージングクラブ”

渋谷を綺麗だと思ったことは一度もないけれど、この誰もいない夜の渋谷を映したMVはすごく綺麗。だけど、汚い渋谷でまた遊びたいな、とも思った。

 

佐野元春「ライブ・アンソロジー1980〜2010」 (STAY AT HOME & WATCH THE MUSIC)

ソニー・ミュージックダイレクトが〈STAY AT HOME & WATCH THE MUSIC〉と題して、岡村靖幸ら4組のレジェンダリーなライブ映像を期間限定で公開中。佐野元春が2012年にリリースした映像作品「ライブ・アンソロジー1980〜2010」からも5曲を視聴できます。白眉は、94年日本武道館での“サムデイ”。Aメロからオーディエンスにマイクを向ける(もちろん大合唱)ところにグッときます。友達連れて佐野さんのライブに行きたい。

 

【酒井優考】

GLIM SPANKY “Singin' Now”

「元気なロックンロールは曇った心や空気を浄化するのよ!」

 

BurnQue “王様は裸だ”

「もうみんな気がついてきてるけどまじで王様は裸です」

 

Bagus! “忘れるでしょう”

「私たちの生活、色々あるけど歩いて行かなきゃいけないです」