ブルー・ノートから4年ぶり3枚目のフル作が登場するゴーゴー・ペンギン。現行のUKジャズ評価の嚆矢となったこの若きピアノトリオの存在感は今尚増し続ける。今作はセルフタイトルかつ、白地に白のロゴマークをあしらったきわめてシンプルなアートワーク、これが真の我々だと言わんばかりの意匠。あくまでアコースティックなピアノトリオの出音に拘りながら作曲工程や演奏に最新のテクノロジーを駆使し表現の地平を切り拓こうとする攻め続ける姿勢、彼らのアイデンティティそのものだ。フジロック出演が決まった、この最小編制のトリオが苗場の観衆を興奮の渦に巻き込む情景がありありと浮かぶ。