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どうやったら始められるのか

――それでも多いですけどね。SHELLMEさんとBAN-BANさんがそこで合格して。

プー「SHELLMEは整理券を配ってる時点で〈可愛い子いるな〉って思ってました。スタイルも良いし、私たち3人が小さいから〈身長160以上の子がいいな〉〈もう少し年齢の近い子が欲しいな〉って思ってたらバッチリはまって」

SHELLME「私は去年の12月に前いた事務所を辞めていて、芸能の仕事を始めて5年目とかなんですけど、もう現実的な話を親としてたんですよ。来年の4月までに結果が出なかったら、地元に帰って就職するって約束して。2月のオーディションは契約終了証明書が間に合わなくて断念したんですけど、プーちゃんがまた募集してるのを知って、運命的に感じたんですよ。だって1回目受けれんかったのに、追加募集があるなんて、もう私のためのオーディションやん、ぐらいのテンションで行きました」

プー「こういう奴なんです(笑)。面接で急にNetflixの「Followers」の考察をしはじめて〈私は全部そういうのわかってますから〉みたいな謎のアピールをしてきたんですよ(笑)。近い人で例えるのアレなんですけど、ココ・パーティン・ココ(GO TO THE BEDS)と同じ匂いを感じて、自信家なんだけど自信がなくて虚勢を張っちゃうタイプかなって。男性陣は〈大丈夫?〉って言ってたんですけど、〈いい奴〉感は漂ってたんで」

SHELLME(シェルミー)
4月22日生まれ。愛知出身。モデルやダンス&ヴォーカル・グループで活動していた

――それは感じます。あと、いわゆるアイドルに触れてこなかったそうですね。

SHELL「はい。1回だけBiSHさんのライヴを観たことがあって、興味を持って調べていったらBiSを知って、それでプーちゃんのことは知ってたんですけど。みんながアイドルの話をしててもわからなくて」

プー「ホントに知らないんですよ。WACKも名前は知ってるけど、歴史とかは知らない。アーティスト志向でやってたからね」

SHELL「でも逆に〈アーティストだから上〉とか〈アイドルは嫌〉とかも別になくて」

――アイドルに詳しくない人がいるのは、最初のBiSっぽくもあるし良いですよね。

プー「おもしろい。ユケ(初代BiSのナカヤマユキコ)とかもそうだったし」

――一方のBAN-BANさんは2期BiSのプー・ルイさんも観てるんですよね。

BAN「はい。私は高校時代に“FiNAL DA­NCE”の動画を観てBiSが気になりはじめて、その頃に活動してた2期BiSがどんどん好きになって、ちょっとアイドルに憧れみたいなのを抱いてました。それで浪人してた時期にいろいろ考えるようになって、〈アイドルやりたい〉ってお母さんに言ったら、〈大学には行ってほしいから、合格したら好きにしていいよ〉って言われて。それならアイドルになりたいからがんばろうと思って」

プー「がんばろうと思って東大(笑)」

BAN「それで東京に出てきたんですけど、WACKのオーディションはいつも書類落ちしてて。で、このオーディションを知って〈プーちゃんとやりたい〉と思って受けました。BiSが気になったのもプーちゃんの歌が凄いと思ったからで」

プー「そうなの? 急に恥ずかしいんだけど(笑)。BAN-BANは2月の時も2次面接まで進んでたんですけど、ちょっと気持ちが見えなくて。でも、石原さんが〈あの子が気になる〉ってずっと言ってて、最初に4人組で決まった後も〈研究生みたいな形でも無理か?〉って長文の熱いLINEがきて。でもいきなり研究生がいるのも意味わかんないし……と思ってたら追加募集になって、そこにBAN-BANがまた現れたんですよ。で、こっちが不安要素を伝えてたわけでもないのに、〈前回は覚悟が決まってませんでした〉〈私はもう絶対にアイドルやりたいって気付いたんで〉って伝えてきて。そこに感動したというか、短期間でそこまで理解してくれたのが決め手でしたね」

BAN-BAN(バンバン)
4月15日生まれ。広島出身。東京大学に在学中の奇才

――1人補充ではなく2人追加になったわけですけど、それでも入れたい2人だった?

プー「どっちか1人ではないなと思ったし、どっちかがいないのも違うと思ったので、おもしろくなりそうなほうを優先しました。あと、一緒に住む考えもあったから、それを想像した時に、この5人で家にいる姿が想像できたんですよ(笑)。それが大きかったですね」

――そこから実際に共同生活が始まって。

プー「ホントにギリ滑り込みで」

CHIYO「〈コロナがヤバそうだから、もう明日からみんなで住まない?〉みたいな感じで、前日の夜中に電話がありました」

プー「非常識な会社ですよ(笑)」

CHIYO「活動できないほうが怖いから、私もそのほうがいいって思ったけど、お父さんがけっこう厳しめな人なので、〈もう辞めさせる〉みたいな感じで喧嘩になって」

――普通そうですよ。社名もふざけてるし。

プー「プープーランド(笑)」

CHIYO「でも、夜中ずっと話して、私が折れないので、何とか承諾をもらえました」

プー「特に2月に合格した2人は予定がどんどん延びちゃってたんで、早く活動したいっていう共通認識はあって」

プー・ルイ
8月20日生まれ。埼玉出身。プロデューサー兼任。株式会社プープーランドの代表取締役を務める

――とはいえ、同居は大変そうですね。

SHELL「まあ、2~3回しか会ったことない人といきなり一緒に生活するのって、お互いの関係がダメになるんじゃないかって思ってて。私はけっこう何でもイケるタイプなんですけど、〈みんなが大丈夫かな?〉って。そしたら意外に自分がいちばん独りの時間を欲しがってたんだなって(笑)」

UMI「確かに(笑)」

――100のお題を毎日クリアしていく生配信のアイデアはもともとあったんですか?

プー「全然ないです。最初は自分が過去にやってきた通り、5月にお披露目とアルバムがあって、6月にツアーをやる形で考えてました。何もしないまま緊急事態宣言が出たら、次の発信がもっと先になっちゃうしマズいと思って、急遽〈どうやったら始められるのか?〉を考えたって感じです」

――でも、こういう事態でもないと共同生活の生配信とか踏み切れないと思うので、よくポジティヴに転換されたなと思います。通常のスタートと差別化できたというか。

プー「う~ん、うまいこと世界が回って(笑)。BiSの後にYouTubeを始めて、独学で編集とかやってたのも良かったなって思いますね」