電気グルーヴのCD/映像作品の出荷および音源/映像の配信が再開されました。SNSを中心に彼らの作品の復活を喜ぶ声が多く上がっており、改めて電気グルーヴの人気の高さを証明しています。
本来であれば〈FUJI ROCK FESTIVAL '20〉で久々のライブを行う予定でしたが、新型コロナウイルスの影響によりフェスが延期、パフォーマンスを堪能することが出来なくなってしまいました。しかし、このタイミングでライブDVD/Blu-rayの出荷が再開されていますので、自宅で彼らの圧倒的なステージングを楽しむことができます。そこで、今回は電気グルーヴがこれまでに発表してきた映像作品を振り返ってみたいと思います。
2001年の活動休止以来、本格的な活動再開となった〈WIRE04〉でのライブと同年開催の〈RISING SUN ROCK FESTIVAL 2004〉でのステージの模様を映像化。
〈WIRE04〉では、スキンヘッドのピエール瀧がジャンピング・シューズを使用してステージを横断するも、あまり効果を発揮していない感じが素晴らしい。また、〈RISING SUN ROCK FESTIVAL 2004〉では、サマンサ・フォックス“I Only Wanna Be With You”のリミックス・ヴァージョンを流したり、終盤の“電気ビリビリ”で石野卓球がアドリブでスキャットを披露したりと、いつもとは違った見どころが満載。
電気の映像作品では恒例になりつつある爆笑の副音声も本作からスタートしました。
〈FUJI ROCK FESTIVAL ’06〉の〈GREEN STAGE〉で行ったライブの模様を収録。
1曲目が“N.O.”で2曲目が“Shangri-La”という代表曲をいきなりぶちかまし、苗場に集ったファンの度肝を抜いた選曲がとにかくヤバい。終盤での“富士山”“虹”は、フェスでの電気がいかに〈強い〉かがよくわかる興奮&感動のステージになっています。
なお、卓球いわく〈バーナード・サムナー(ニュー・オーダー)〉と称した異様に地味な電気の服装や、盟友・宇川直宏によるVJにも注目です。
ライブ・ツアー〈叫び始まり 爆発終わり〉から、2008年11月22日に渋谷AXで行われた単独公演の模様を映像化。
『J-POP』『YELLOW』(いずれも2008年)を発表した後のツアーということもあり、前半はそれらのアルバム曲が中心に披露されていますが、“MUD EBIS”“Bingo!”“マイアミ天国”“スネークフィンガー”“CATV”“ビーチだよ! 電気GROOVE”など初期のナンバーも組み込まれています。また、上半身裸で野球のグローブを被り、レイバンのサングラスをかけ、斧を片手に“ガリガリ君”を歌う瀧の精悍な姿は強烈。
そして、〈FUJI ROCK FESTIVAL〉などでもサポートを務めたKAGAMIがここでもステージを共にしているほか、ツアーに密着した特典映像〈ぶーやんのツアー同行日記〉では関係者の笑顔を誘った〈マカロン騒動〉の一部始終も確認できます。
過去に発表されていたVHS作品をDVD化して3巻同時にリリース。砂原良徳を副音声に招いて3人体制だったころのライブを振り返る「ミノタウロス+ケンタウロス+シミズケンタウロスDVD 」「野球ディスコDVD」は、3人の仲の良さがヒシヒシと伝わる長年のファンにはたまらないブツなんで買い直し必至。
ステージにPA卓をセットした「野球ディスコDVD」収録の赤坂BLITZ公演(97年)は海外のミュージシャンからも絶賛されたという。さらに本作には、卓球が丸刈り頭で登場した94年の横浜アリーナ公演の模様を収録したディスクが新たに付属しています。
そして、卓球ソロ曲のMVも入った「ノモビデオDVD」には、新作発表が待たれるシリーズの第1弾〈ピエール瀧の体操30歳〉(〈世界のケンニシイ〉こと西井健一の勇姿も)や“Nothing’s Gonna Change”の途中に突如挟まれる“FLASHBACK J-POP COUNTDOWN”の完全版も。本番中にもかかわらず、早く終わりたさそうにディレクター・田中秀幸をチラチラ見る卓球がいい。さらに、ボックス・セット『PARKING』(95年)に入っていたCGアニメ作品や、『VOXXX』(2000年)発売後のツアー〈ツアーツアー〉の一部始終も収録。副音声には、ライブでサポートを務めたDJ TASAKAとKAGAMIも参戦しています。
デビューから“Upside Down”までのミュージック・ビデオを収録。
バブル時代のテレビ東京のCMで流れていそうな“ウィー・アー”をはじめとする初期作品には、長髪の瀧がバッチリ映し出されています。
また、“ドリルキング社歌 2001”には、伝説のバラエティー番組「電気が出るTV」「金曜モグラネグラ」などの出演VTRや子門’zによる東京ドームでのパフォーマンスといった貴重な映像が大量に投下、名も知れない子どもが爆笑をさらっていくオチも最高です。
さらに、“Mr.Empty”“中年パンク”という音源化されていない楽曲や、〈電気グルーヴ × スチャダラパー〉名義で製作された“Twilight”“聖おじさん”も。山田太一による名作ドラマ「ふぞろいの林檎たち」(83年)のテイストを入れた宇川直宏による“Twilight”の〈アブストラクトな林檎たち〉ヴァージョンの狂いっぷりは必見。
ほかにも、BOOWY“季節が君だけを変える”のPV的な展開で進む“少年ヤング”や、鬼才・天久聖一が監督を務めた“モノノケダンス”“電気グルーヴ20周年のうた”といった各方面から絶賛された映像の数々も楽しめます。