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新時代が来る前に……2010年代のポール・ウェラー

PAUL WELLER 『Wake Up The Nation』 Island(2010)

2010年代最初のアルバムとなったソロでの通算10作目。前作『22 Dreams』(08年)の好評を受けてかテンション高めなロックンロールが多く、元ジャムのブルース・フォクストンが28年ぶりに駆けつけたほか、マイブラのケヴィン・シールズなどゲスト陣も華やか。マーキュリー賞にノミネートもされた。

 

引き続きサイモン・ダインがプロデュースにあたった11作目。ノエル・ギャラガーとグレアム・コクソンが演奏で参加し、元ストーン・ローゼズのアジズ・イブラヒムも演奏と曲作りに関与。洗練された大人らしい若々しさをスマートに発揮し、いまのところ全英1位を獲得した最後のアルバムでもある。

 

PAUL WELLER 『Saturns Pattern』 Parlophone/ワーナー(2015)

前年のベストで区切りを付けてのパーロフォン移籍作。00年代前半に組んだジャン“スタン”カイバートをプロデュースに再起用して気分も一新。FSOL共作のサイケな幕開けから野心的だ。ストライプスのジョシュ・マクローリーが初参加し、スティーヴ・ブルックス(元ジャム)の参加も。

 

THE BLOW MONKEYS 『The Wild River』 Monks Road/Pヴァイン(2017)

本作に直接関係ないが……スタイル・カウンシルや90年代ウェラー作品ではお馴染み、ドクター・ロバート率いるブロウ・モンキーズの近作にはミック・タルボットがオルガン演奏でガッチリ参加! タルボットはウィルコ・ジョンソンやロジャー・ダルトリーのバック演奏などで活動中だ。

 

NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS 『Who Built The Moon?』 Sour Mash/ソニー(2017)

95年の傑作『Stanley Road』とオアシスの“Champagne Supernova”に相互参加してから実に長い縁を保っている両者。ウェラー兄貴の作品にはコンスタントに駆けつけているノエルに対して逆の例はあまりないが、こちらのソロ・プロジェクト作に収録の“Holy Mountain”でウェラーはオルガンを演奏していた。

 

意外にもウェラーが手掛けた初のサントラ作品。『Saturns Pattern』の流れにあるような実験的なスコアと穏やかなフォーク風情のヴォーカル曲が同居した一枚だ。スティーヴ・クラドックがドラムで少し助力したほか、同年の自作『Hoodoo Zoo』にウェラーを招いた縁でスティーヴ・ブルックスはここにも参加。

 

PAUL WELLER 『A Kind Revolution』 Parlophone/ワーナー(2017)

前作の完成後にすぐ取り掛かったという通算13枚目。ハイブリッドなソウルフル・ロックから久しぶりのハウスまでアレンジは自由自在。ボーイ・ジョージが歌う“One Tear”もありそうでなかったコラボ。ロバート・ワイアットやPP・アーノルドといった縁あるヴェテランのコーラス参加も興味深い。

 

STONE FOUNDATION 『Everybody, Anyone』 100%/Pヴァイン(2018)

前作『Street Rituals』(17年)でもほぼ全曲にウェラーを招いていたスタイリッシュな英国ソウル・バンド。こちらの最新作ではウェラーに加えてミック・タルボットとスティーヴ・ホワイト、ドクター・ロバートまで参加し、数曲ではスタカン編成が揃い踏みしての演奏を聴かせてくれている!

 

PAUL WELLER 『True Meanings』 Parlophone(2018)

引き続きカイバートと組みつつ、ここ数作のなかではもっともフォーク度の高い内容になった14作目。ゾンビーズのロッド・アージェント、ルーシー・ローズ、ノエル・ギャラガーもハーモニウムなどで参加するなど、どこかメランコリックな風情が伝わる。説明不要な“Bowie”もここに収録。

 

P.P. ARNOLD 『The New Adventures Of... P.P. Arnold』 EarMusic(2019)

ウェラー少年も憧れたであろう60年代〈イミディエイトの歌姫〉が、実に51年ぶりにリリースした新録アルバム。スティーヴ・クラドックが全面プロデュースを手掛けている縁で、ウェラー師匠も曲提供や演奏/コーラスに参加。それ以外にもウェラーのB面曲“Shoot The Dove”カヴァーを披露している。

 

PAUL WELLER 『Other Aspects: Live At The Royal Festival Hall』 Parlophone(2019)

パーロフォンでの最終作となったライヴ盤は、オーケストラとロイヤル・フェスティヴァル・ホールで披露した特別なパフォーマンスに。キャリア集大成的な選曲でジャムやスタカン、初期ソロ曲もあるが、最新作の曲をメインにしているのも彼らしいところか。