より多くの外仕事や大型フェスへの参加で拡大した自身の可能性——シンガー・ソングライターとしてのさまざまな顔が見える初アルバムがいよいよ完成!
改めての原点
湘南生まれ/南カリフォルニア育ちのシンガー・ソングライター、Michael Kanekoがついにファースト・アルバム『ESTERO』を完成させた。デビュー作『Westbound EP』の発表以降、数々の大型フェス出演やCMソングの歌唱を経験し、ヴォーカリストとしてのみならず、プロデューサーや作家としてもさまざまなアーティストの楽曲に参加。『Westbound EP』はレーベルの先輩にあたるOvallのメンバーが共同プロデュースで参加したバンド録音の作品だったが、本作はMichael Kaneko自身がプロデューサーとしての手腕を発揮し、幅広い作風を収めた一枚となった。
「初めてスタジオで自分の曲をレコーディングしたのが『Westbound EP』だったんですけど、それからいろんなアーティストと一緒に仕事をするなかで、自分もすごく成長できて。特に、origamiのアーティストはセルフ・プロデュースが多いから、その影響は大きかったです。ただ作曲して歌うだけじゃなくて、細かいところまで全部できるようにならないと〈アーティスト〉とは呼べないなって感覚になったんですよね」。
カリフォルニアにある通りの名前から取ったアルバム・タイトルの『ESTERO』は、Michael Kanekoにとっての〈原点〉を示す言葉だという。
「大学3年のときに1年だけ交換留学でアメリカに戻ったことがあって、当時は就活をするか、音楽を続けるか、将来に悩んでたんです。そんななかで向こうに行って、友達とルームシェアをしてた一軒家の中の一部屋が楽器だらけの部屋で、そこで毎日セッションをしたり、ただただ音楽で遊んでたんですよね。それで〈やっぱり音楽楽しいな〉って気持ちになって、日本に帰って、大学4年からライブ活動を始めたんです。その家がカリフォルニアの〈ESTRERO ROAD〉っていうストリートにあったんですよ。そこでその友達と出会わなければ、音楽活動を始めていたかどうかもわからないので、自分にとっては原点みたいな場所なんです」。