豆柴の大群
AAA状態な問答無用のメジャー・デビュー!

 去る8月5日放送の「水曜日のダウンタウン」にて、ファースト・アルバム『スタート』の在庫でドミノ倒しを完成させるという企画が行われ、アドバイザーを務めるクロちゃん(安田大サーカス)の奮闘によってavexからのメジャー・デビューが発表された豆柴の大群。勢いのあるWACK所属とはいえ改めて地上波メディアのパワーを感じざるを得ないわけですが、結成1週間でオリコン1位を獲得して以来、予想外の知名度アップ、それに伴う不安や重圧と闘ってきた5人のがんばりも、ようやく報われようとしているのかもしれません。ただ、このご時世もあって初のワンマン公演もまだ行えていないという状況。今回リリースされるメジャー・デビュー・シングルは、その先へのさらなる期待を込められた勝負の一枚とも言えるのでしょう。

豆柴の大群 『AAA』 avex trax(2020)

 で、その名も『AAA』と題された今回のシングルは、表題通りのトリプルA面仕様だと思しき内容。タイトルからも漂うavexならではのパロディー/オマージュ的な遊び心は、現状判明しているアートワークだけでもなかなかアレな仕上がりですが、中身も飛び道具では終わりません。まず、メジャー・デビュー発表と同時にMVが公開された“サマバリ”は、往年のハロー!プロジェクト~iDOL Streetテイストも纏ったコクのあるエキゾチックなアップ・チューン。水着MVも話題となった“恋のかけ算 ABCDEFG”も失われた今年の夏を取り戻してくれるような脳天気さが楽しく、2曲いずれもクロちゃん作詞/松隈ケンタ作曲というSCRAMBLES印のナンバーになっています。

 トリプルA面となると気になるのは残るもう1曲。思った以上にクロちゃん色の濃く出た賑やかな曲が続いただけに、果たして……あとはリリースを楽しみに待つとしましょう! *出嶌孝次

豆柴の大群の2020年作『スタート』(TOWER RECORDS)