天野龍太郎「Mikiki編集部の田中と天野が、海外シーンで発表された楽曲から必聴の5曲を紹介する週刊連載〈Pop Style Now〉。今週はホットな話題からまいりましょう。日本時間の今朝、マーキュリー・プライズの受賞作品が発表されました」

田中亮太「見事選ばれたのは、マイケル・キワヌーカの『Kiwanuka』(2019年)! デンジャー・マウスがプロデュースしたサイケデリック・ソウルの傑作であり、50年代の公民権運動まで遡って黒人の現代史を顧みたコンシャスなアルバムでもあります。これは文句なしの受賞でしょう!」

天野「そうですね。ただ、スポーツ・チームとかポリッジ・レイディオとか、フレッシュなバンドでもよかったのに、とは思いました。その一方で、リナ・サワヤマがイギリス/アイルランド国籍を持ってないという理由から、彼女のアルバム『SAWAYAMA』がノミネートされないなど、問題も浮き彫りになった年でした。時代に即した形で、より良くなっていくといいですね。また、9月21日にはエミー賞の授賞式が開催。『ウォッチメン』が最多11部門で受賞しています。『ユーフォリア/EUPHORIA』のゼンデイヤが史上最年少で主演女優賞を獲ったことも話題ですね。しかも、アフリカ系女性としては2人目、という快挙です」

田中「恥ずかしながら、まだドラマ版『ウォッチメン』を観られていないのですが、マストで観ないとダメですね。それでは、今週のプレイリストと〈Song Of The Week〉から!」