フィメール・ラッパー随一の実力派による4年ぶりの新作。エリカ・バドゥを迎えたジャジーな“3:AM”での赤裸々な表現や、リル・ウェインとの“Raw”における客演に負けない言葉遊びなど、リリシストとしての矜持を示していく様子は痛快。今回は制作に9thワンダーは不参加だが、ブラック・オデッセイやS1、ヒットボーイらが名を連ねている。モニカのあの曲をGファンク仕様にした“DND (It’s Not Personal)”からレゲエ、R&Bまで、ブーンバップやサンプリング主体のメロウなトラックを提供して、主役のオーソドックスでタイトなフロウを援護する。時が経つにつれて評価を上げるだろう盤石な作品だ。