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〈帳(とばり)を上げて覗いてみない?〉

――そんな3曲を収めた今回のEP『TOBARI』は、どのような作品を目指したんですか?

TAKKI「作品全体のコンセプトみたいなのはなかったです。自分たちの好きな曲、良い曲を収録していった感じ。“Honeys”と“Take a chance on your life”はリアレンジなので、自分たちの新旧というか。ライブで長いことやってる曲もあれば、まだ1回も生演奏したことがない曲も入ってる。そういう意味では今までとこれからが良い意味で混合している作品になったと思います」

――『TOBARI』というタイトルにはどんな思いを込めたんですか?

TAKKI「SOMETIME'Sって曲名が全部英語なんです。歌詞を僕が書くからタイトルも任されがちなんですけど、つけるときにこっぱずかしくて英語にしちゃうクセがあって。でも、日本語を大事にしたいという気持ちはあるし、日本語をおろそかにしていないぞっていうところを出したくて、古き佳き日本語をタイトルにするのはどう?ってSOTAに提案して。そのなかに〈帳(とばり)〉があったんです。他には〈コタツ〉っていう案もあったんですけど(笑)」

――帳という言葉はどこから着想したんですか?

TAKKI「夜の帳とかそっちの使い方じゃなくて、平安時代の帳とか、あとは蚊帳とか物質の方のイメージです。まだまだ僕たちは世に知れてないので、帳で区切られた小部屋にいるっていうイメージ」

――その部屋の帳を上げて世に出て行こう、みたいな思いなんですか?

TAKKI「こっち側で俺たちは十分楽しんでるんで、帳を上げて覗いてみない?っていう方がイメージとしては近いかも。昔の帳って、今のカーテンみたいに遮光性はないじゃないですか。シルエットが見えるんで、中の様子がわかる。そういうイメージが浮かんだんです」

――EPはアシッド・ジャズ/ディスコ・ファンク系のアップリフティングなナンバー“Get in me”で幕を開けます。

SOTA「これは1年前くらいにデモがあって。バンド全員でジャ、ジャ、ジャ、ジャとリズムを刻むサビのメロディーのアイデアが最初に浮かんで、そこから作って行きました。だから、これはギターのカッティングを押し出したかったし、ギター・ソロも気に入ってます」

TAKKI「僕は頭にアクセントがあるカッティングが好きで。これは軽やかな感じのカッティングというより、重くてパワーのあるカッティングをイメージして作りました。こういう音色のカッティングは最近流行っていないかもしれないですけれど、“Honeys”のカッティングとはノリが違います」

――“Simple”は、ハウスとかエレクトロのテイストも感じられる仕上がりになっています。

SOTA「これは唯一、曲の最初の種がアレンジャーの藤田によるものなんです。藤田が〈simple simple simple simple〉って歌ってるリフのアイデアを出してきて、そこから僕がメロディーを膨らませていったんです。でも、これはメロにめっちゃ苦労しました」

――言わばトラック先行みたいな作り方だから?

SOTA「そう。そのリフを元にしたコードが先にあるから。EPのレコーディング期間に突入して、他の曲を録ってる段階でも、まだこの曲のメロを考えてました。なんかしっくりいかなくて。だから歌詞も最後についたし、二人で曲にアジャストしていくような作り方でした」

――歌詞は失恋をテーマにしているんですか?

TAKKI「失恋に近いんですけど、大恋愛して別れたあとに性にヤンチャになっちゃう女性っているじゃないですか。実際、僕の友達に20代半ばでめっちゃ遊びだした子がいたんですけど。その子からインスパイアされて書きました」

SOTA「歌ってるときのイメージは〈はぐれないように手を引く 千鳥足 渋谷2:00AM〉という歌詞の世界です。酔っ払いが渋谷の街をフラフラしながら、どうせこれからホテルに連れて行くんだろうな、っていう感じをイメージして歌ってますね(笑)」

――ラストに収録された“Morning”は、EPの中で最もソウル/ゴスペル色の強いミドル・ナンバーになっています。

SOTA「これはいちばん新しい曲です。初めは“I Still”のファルセットを引きずってて、めちゃくちゃ高いキーでデモをつくったんです。そしたらTAKKIにメロが良いから普通のキーにしようって言われて(笑)。そのゴスペル感というか、ソウル・ヴォーカルとしていちばんイケる音域のキーまで落としたんです」

TAKKI「あんまりそういうリクエストはしないんですけど、メロが良い場合は地声で行った方がいいと考えてるんです。実際、最初のデモからキーを5つ下げたんですけど、そしたらめっちゃハマって一気に全体像が見えてきて。だからデモから完成までが早かったです」

――この曲は“Take a chance on yourself”の延長にもあるようなサウンドだと思ったんですが、これもSOMETIME'Sの中で真ん中にある球ですか?

SOTA「結構真ん中ですね。ピッチャーに例えると、“Honeys”みたいなサインばっかり出されると肩がぶっ壊れる感じがあるんですけど、これは決め球として投げられる感じ。最後じゃあ2ストライクからスプリットで落としてくださいって言われたら、〈はい〉って投げられる球」

――歌詞はどのようなきっかけから書いたんですか?

TAKKI「SOTAが、SOTAの弟にメッセージを送るというコンセプトで書いたんです。SOTAの弟が夢を取るか仕事を取るか悩んでいた時期があって。そういうときに兄貴からこういうことを言われたらいいなぁと思って書いた曲です」

――岐路に立っている人の背中を押す感じ?

TAKKI「背中を押すというよりフックアップしてあげる感じですね。いつでも待ってるし、来たら引っ張り上げてやるっていう感じ。そういうところがSOTAの人間性にあるから、それをイメージして書いたんです」

――“Morning”というタイトルは、誰にでも朝は来るっていうような意味合いですか?

TAKKI「そんな感じです。何かを決意した翌日の朝っていつもとちょっと違う。俺自身にそういう経験があって。そういうことに気づける日がいつか必ず来るという思いを込めて“Morning”というタイトルにしました」

 

叶えたい夢

――最後に、お二人がいつか叶えたい夢を教えてください。

SOTA「カリフォルニアにスタジオを建てることですね。そのためには売れないと無理かなとは思っています(笑)」

TAKKI「どの目標もそれには叶わないっていうか。どの目標もその夢の過程にあるというか」

――カリフォルニアに行ったことはあるんですか?

SOTA「ないです(笑)!」

TAKKI「雰囲気だけで言ってます(笑)」

SOTA「海沿いにスタジオがあったら素敵だなっていう。太陽→海→カリフォルニアみたいなイメージがあるんですよね」

――自分たち的に、SOMETIME'Sの音楽が似合う場所ってどこですか? 車? 海? 都会?

SOTA「車と海はだいぶイメージにあります」

TAKKI「でも、ビーチまで行くとちょっと違うんです。ちょっとイメージが遠くなる」

SOTA「海が見える国道くらいの感じ。その車の中で鳴ってる感じ」

――湘南を走る国道134号線みたいな?

SOTA「そうです、そうです。横浜で長いこと活動してたんで」

――横浜の山下公園とか港の見える丘公園はどうですか?

SOTA「俺はイメージにありますね」

TAKKI「確かに、みなとみらいはイメージに近いかも。都会的だけど潮風も感じられるっていう。風景とか街並みじゃなくて、匂いとして海を感じられる。それくらいの感じのサーフ感。それを残したいとは思ってなくて、残っちゃってるっていう感じなんですよね」

 


LIVE INFORMATION
SOMETIME’S "TOBARI" RELEASE EVENT
「YouTube Streaming Live vol.2 supported by MTV」
2020年11月6日(金)開始:19:30
出演:SOMETIME'S、YONA YONA WEEKENDERS
チケット:FREE

INFORMATION
■MBS/TBSドラマイズム「そのご縁、お届けしますーメルカリであったほんとの話ー」オープニング主題歌 “Morning“SOMETIME'S

<放送情報>
MBS:11月3日(火)より毎週火曜24:59~
TBS:11月3日(火)より毎週火曜25:28~
出演:飯豊まりえ
浅香航大 板垣瑞生 坪根悠仁/徳永えり 前野朋哉 中村静香 濱正悟/
松本穂香 鈴木仁 松本妃代/ともさかりえ 浅野和之 宇野祥平 西尾まり 丘みつ子/
高橋メアリージュン 栁俊太郎 美保純 ふせえり/波岡一喜 徳留歌織/
塚地武雅
監督:片桐健滋(映画『酔うと化け物になる父がつらい(2020年)』ドラマ『きのう何食べた?(2019年)』)
脚本:北川亜矢子(ドラマ『ゆるキャン△(2020年)』ドラマ『東京ラブストーリー(2020年)』)
制作プロダクション:ザフール
製作:「そのご縁、お届けします」製作委員会・MBS
ドラマ公式Twitter:@entodo_mbs
ドラマ公式Instagram:@entodo_mbs
ドラマ公式サイト https://www.mbs.jp/entodo/
©「そのご縁、お届けします」製作委員会・MBS​