メキシコのジャズシーンというのも馴染みがないかもしれないが、出身のプレイヤーならやはりアントニオ・サンチェス。メキシコのレーベルURTEXTからのエイブラハム・バレーラというピアニストの作品が一挙に国内で入手可能になり、その中にサンチェスとのトリオ作もあり俄然注目。メキシコの小説家カルロス・フエンテスにオマージュした組曲やメセニーのクエスチョン&アンサーなど、楽曲構成も面白い。剛腕のサンチェスが同郷トリオでの演奏はどこかリラックスしているようで、演奏のダイナミズムも存分に体感できる、華々しいキャリアの中で見落としてしまいそうだが絶対聴いておきたい一枚。