7月にドラムスの中原鉄也が脱退するも、歩みを止めることなく1年ぶりの新作が完成。コロナ禍で活動が制限されるなかにあって、むしろフィジカルなバンド・サウンドを全面に押し出し、管弦楽器がこれまで以上に楽曲の構成要素として重要な役割を果たすことで、タイトルの〈祝祭〉という印象を強めている。“極彩IGL(S)”の〈君の物語を 絶やすな〉や、“dEsTroY”の〈これから先 起こすことをまあ、楽しみにしててよ〉など、歌詞から伝わってくるのは現状をネガティヴに捉えるのではなく、古い価値観に別れを告げる機会だと捉える意志。ピアノのリフレインと軽快なビートに乗せて、前作にも参加したHANAが可憐な歌声を聴かせる“ヨVE”の前向きなフィーリングが、そんな本作を象徴していると言えよう。