前作が〈静〉とすれば、この7作目は〈動〉だ。中村佳穂をフィーチャーした“月に吠える”を筆頭に、ストリングスがエレクトロニクスと融合したポスト・クラシカルな趣向は前作から継続しつつも、躍動するビートとエレクトリックなバンド・サウンドが覚醒感と昂揚をもたらし、シンフォニックな多重コーラスが聖歌のように厳かに響く。死と再生、ここではないどこかと新たな始まりを想起させる詞も圧巻だ。