壊れた椀や皿などの欠けやひび割れを修繕して金で象る〈金継ぎ〉……ということで、さまざまな傷みを固有の美しさとして肯定してきた彼女の姿勢を明快に言い表すタイトル。オリジナル・アルバムとしては『クソカワPARTY』以来、およそ2年ぶり。その間にはZOC結成もあり、今年2月にはメジャー5周年の節目で初のベスト盤も発表したわけだが、そこに心機一転とかを想像する余地もなく幕開けの“夕方ミラージュ”から引き裂かれてブッ飛ばされるこの感じは最後まで持続する。鈴木大記を筆頭にミト(クラムボン)や大久保薫、サクライケンタ、sugarbeans、大沢伸一らのアレンジも楽曲の剥き出しな発信力をドラマティックに増幅する。衝撃的な“シンガーソングライター”と“KEKKON”もアルバム・ヴァージョンで収録!