アンダーグラウンドと位置づけられてきたインディー・アクトがコマーシャルなシーンの一角に基盤を築いて久しい最近のUK。その先鋒となるサウス・ロンドンからブラック・ミディやゴート・ガール、ブラック・カントリー・ニュー・ロードらに続く新顔がまたも登場した。2枚のEPで注目されたドライ・クリーニングは、もともとインスト・バンドとして始まったという4人組。そんな成り立ちもあってか、フローレンス・ショウ(ヴォーカル)のクールなスポークン・ワーズとミニマルで乾いた演奏の間にはある種の緊張感が漂い続けている。プロデュースはジョン・パリッシュ(PJハーヴェイ、オルダス・ハーディング他)が担当。往年のNYパンクや黎明期のUSインディーを思わせる不穏なヴァイブとアートな佇まいが実に魅力的だ。