昨年復刊された『ヘビーデューティーの本』の前作にあたるこちらは、いま読んでなお新鮮な小林泰彦流イラストルポの傑作文庫化。1975年より『メンズクラブ』連載として氏が“ほんもの”を求めて日本各地の工房、職人を訪ね、果てはアメリカ、カナダまで、現代ならば敏腕バイヤーといった趣で足で稼いだカタログ。西海岸で生まれた「ホールアースカタログ」が日本に渡り、本書のような先達があり、我々はその先にいるというわけです。そしていま、自信をもって紹介できる“ほんもの”を探しだす姿勢、またその楽しみというバトンを受け取らせていただくのです。