Mikiki編集部員とTOWER DOORS担当・小峯崇嗣が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。連載100回を超え、今回からは5人が1曲を厳選し、計5曲を掲載してまいります。惜しくも紹介できなかった曲は、別の企画で紹介していく予定です。そちらも楽しみにしてください。 *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

 


【田中亮太】

ステレオガール “Angel, Here We Come”

ステレオガール、絶好調ですね。アノラック × ノーザン・ソウルな前シングル“スクーター”も最高でしたが、今回の“Angel, Here We Come”は地を這うグルーヴにジョン・スクワイア・ギターが突き刺さる激マッドチェスター・チューン。2曲の並びにはストーン・ローゼズのファーストからセカンドへの歩みを思い出さずにはいられないわけですが、そうなると次は……? ステレオガールは、イアンもジョンも辿り着けなかった『Second Coming』の先の地平に行かんとしているのかも。ルーフトップ・コンサート(ビートルズというよりU2)を拝借したMVも最高。

 

【酒井優考】

LD50 “dysphagia”

causticsから名前を改めた4人組の再始動&3か月連続リリース第1弾。演奏テクニックがすごいんだけど、そういうバンド特有の鼻に付く感じが無くて聴きやすい。きっと人気出ると思う。

 

【天野龍太郎】

valknee “Sweetie30”

今回から当連載は〈俺の今週の一曲はこれや!〉というのを出し合う形にリニューアルしました。というわけで、私の今週の一曲はこれかなと。エイジズムにスウィートなノーを突きつけて、〈20歳の私よりも、いまの私が最高!〉とラップする快心の一曲です。そういえば、某アニメ映画では〈いまの私がこの人生でいちばん若いから、一生懸命生きるだけ〉なんてセリフもありましたね。私も最近、年をとるのって意外と悪くないなと思っています。配信リンクはこちら

 

【鈴木英之介】

tiger bae “Where is the night flame”

2013年に解散したバンド・HOTEL MEXICOのメンバーであったMasaaki IwamotoとJiko Kobayashiに、ヴォーカリストのYucoを加えた新バンドのデビュー曲。モンドやラウンジの雰囲気をまとった彼らの洒脱なエレクトロニック・サウンドからは、20世紀的な古き良き未来感のようなものが感じられる。それは、もはや未来を上手く思い描けないいまの私たちにとってあまりに眩しく、そして手の届かない輝かしさでもって私たちの胸の内に感傷を引き起こす。レトロ・フューチャーなる観念の〈ほろ苦い甘美さ〉を教えてくれる一曲。

 

【小峯崇嗣】

HAIIRO DE ROSSI “Attitude (feat.壱タカシ)”

湘南藤沢出身のラッパー、HAIIRO DE ROSSIが、シンガー・ソングライター壱タカシをフィーチャリングに迎えたシングル“Attitude”をリリースしました。モノクロで捉えられたミュージック・ビデオの中で、R&B/ソウル調のメロウなサウンドを取り入れたジャジーでダークなトラックが鳴り響く。HAIIRO DE ROSSIが綴る、世界で起こっている分断やマイノリティーへの人種差別の問題に焦点をあてたリリック。壱タカシの優美な歌声で歌われる、〈手を繋ごう〉というメッセージ。彼らの〈Attitude〉が心の奥底にまで伝わる一曲に仕上がっています。