昨年NOVA Recordからは初となるソロ・アルバム『メンデルスゾーン:無言歌集』をリリースした反田恭平。また、彼自身が長年信頼を寄せているマエストロ・佐渡裕と、ウィーンの〈楽友会協会〉の地にてトーンキュンストラー管弦楽団と共に公演を開催。と同時に、今回の『プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番』のレコーディングにも挑んだ。彼特有の抜群のテクニックは圧巻だが、紡ぎ出された響きを包み込み、より一層深みのある音色を奏でているオケの調べも際立っている。現在の日常だからこそ、反田恭平が送り届けるこの演奏は多くの人々の胸に深く刻み込まれ続けていくに違いない。