もともと“Ley Lines”(2018年)がブラウンズウッドのコンピに入ったことで注目され、昨年は企画盤『Blue Note Re:imagined』に参加していたエマ・ジーン・サックレイ。先だってはスクイッドの話題作『Bright Green Field』にトランペットで参加していたが、自身のレーベルで完成したこの初フル・アルバムはマルチ奏者/シンガー/プロデューサーとしての彼女の才気と志向をより明快に伝えることになりそうだ。ハウシーでダンサブルなフュージョン“Say Something”、フレーズの煌めきと合唱が螺旋になって昂っていく“Sun”や“Rahu Ketu”など、濃厚なグルーヴと壮麗なオーケストレーションによってスピリチュアル感覚が増幅されていく様は初期EW&Fやユビキティ的でもある。全編が気持ち良くキャッチーな好盤。