新しい出会いとか別れ、悲しみと喜び、あるいは——緊急事態のなかで新体制をスタートし、楽園の未来を見据えて“大事な歌”を届けた5人はいま何を思う?

 年明けに月ノウサギがWAggにレンタル移籍し、ウタウウタを加えた4人編成で3月にEP『PARADISES RETURN』をリリース、4月には〈WACK合同オーディション〉合格者のキャ・ノンを迎えたPARADISES。5人組で〈PARADISES IN WONDERLAND TOUR〉を行い、7月に入ると月ノの帰還を受けて6人体制での楽曲集『PARADISES(FREE ver.)』を配信リリース、さらには新体制での初ツアー〈PARADISES PRETTY GUARDIANS TOUR〉開始とニュー・シングル“大事な歌”を控えて飛躍の時を迎えるなか……7月9日に突如ウタウウタの脱退が発表されました。激動の続く楽園はどうなっていくのでしょう?

 

キャ・ノン

出会いと再会

――ちょっとトピックが渋滞しているので順番に伺います。まずキャ・ノンさんがオーディション合宿を経て加入されましたが、もともとPARADISESを知っていましたか?

キャ・ノン「GANG PARADEはもともと知っていて、それが分裂して、いままでのWACKにないカラーのグループができたんだなって、MVとかを観て存在は知っていました。合宿では月ノちゃんとペアで何かをやる機会が多くて、グループに対する熱量とか活動に対する気持ちが一緒にいてわかるところがあったので、合格発表で名前を呼ばれた時にこれから一緒に活動できるんだって思って凄く嬉しかったですね」

月ノウサギ「合宿で接することも多かったし、候補生の中で素直に一緒にやってみたいなって思ったのはキャ・ノンでしたね。PARADISESって、それこそウタやメイちゃんがWAggから昇格してきたように即戦力として入る子が多かったし、キャ・ノンもアイドル活動の経験があるので、もし加入したら新しい風を吹かせてくれるだろうなっていうのは合宿中も感じていました」

――ご自身ではどう思いますか?

ノン「えっ、何だろう。難しいですね(笑)。でも、新メンバーが入るってことは新しい風を吹かせるのが目的なのかなっていう……」

月ノ「シンプルに一個あるのは、ヴィジュアルが強くなるっていう(笑)」

――自分では言えませんよね(笑)。

キラ・メイ「でも、合宿オーディションを観ていた印象では、落ち着いた雰囲気だったので〈大人っぽい子なんだな〉って思ってたんですけど、いざ接してみると変なボロがどんどん出てくるというか(笑)。練習中にふざけたりして、最初の印象と全然違うキャ・ノンがいっぱい見つけられて嬉しいなっていうのはあります」

――そして、先日は月ノさんがWAggのレンタル移籍から戻られたばかりです。お疲れ様でした。

月ノ「ありがとうございます。無事に戻ってきました(笑)」

――レンタル移籍の意味や目的のようなものは結果的に達成されたのでしょうか?

月ノ「最初に考えていた意味は、去年のPARADISESのオーディション中に変えきれなかったWAggをこの半年間で変えることと、自分自身が強くなってPARADISESに戻ることで、やり終えたいまも、その理解は変わらないですね。ただ、離れてみて、やっぱり私はGANG PARADEに加入してから、楽曲があることとか、こうやって取材や撮影をしていただけるような環境にずっといたんだなと思って。それが当たり前じゃないとわかってはいつつ、やっぱりWAggでそういうことはないので、いろんなお仕事のありがたみを改めて感じました。6月ぐらいから本格的にPARADISESに戻る準備を始めたら、いろんなことが楽しくてしょうがなくて、一日中いろんな場所を走り回る撮影すら楽しいみたいな(笑)。離れてみたからこそ新鮮な気持ちで挑めるし、離れてみないとわからないことはたくさんありました。その代わりにWAggではたくさんライヴをさせていただいて、数えてみたら半年間で50本ぐらいあったんですよ。そこでWACKのいろんな楽曲をパフォーマンスして、今後の自信に繋がるぐらいの経験を得たので、それを活かしたいなって思っています。それが結果的に半年間で私が見い出した意味ですね」

――ユユさんは〈戻ってこない可能性も考えてる〉みたいに仰ってましたが、戻ってくるもんですね。

テラシマユウカ(ユユ)「いや、ホント戻ってきて良かった」

月ノ「凄く覚えてるのは、レンタル移籍が発表されて舞台袖に戻った時に他のみんなは泣いてたんですけど、ユユに〈行っちまうのか、お前〉って言われて。〈肝座ってんな、この人〉って思いましたね(笑)」

ユユ「そう、驚きはなかったんですけど、その間に自分がどうするかのほうが重要で。みんな月ノに頼ってたところはあったから、私たちが自覚を持って変わらなければ、帰ってきた時にまた半年前の状況に戻りかねないっていうか。個々がしっかり役割を持ったところにWAggで鍛えられた月が帰ってきて、前に戻るんじゃなくて前とは違う形にならなきゃいけない、そういう変化を求められる時期なのかなって思っています。〈おかえり〉だけじゃなくて、ここからさらに気を引き締めなきゃいけないなって」