楽園にも出会いと別れの季節が訪れた——変化し続ける宿命のなか、リフレッシュした姿で終わらない旅を続ける4人の素晴らしき未来はどこへ向かう!?
昨年4月の始動からまだ1年足らず……前身のGANG PARADEとも他のWACK系グループとも異なるポップな独自色を模索してきたPARADISES。7月の初アルバム『PARADISES』リリース後、9月に初の単独ツアー〈初めまして、楽園です。〉をスタートする一方、秋には事務所の育成ユニット・WAggのメンバーを対象にしたオーディション企画〈PARADISESの素晴らしき未来〉を展開してきました。そしてニコニコ生放送やSNS、企画シングルの発表などを通じて審査が行われた結果、12月末の最終審査においてウタウウタの昇格が決定し、同時に月ノウサギがWAggに半年間レンタル移籍するという、まさに往時のGANG PARADEを想起させる采配によって、大きな変化を迎えている真っ最中です。そんなタイミングで届いた6曲入りのEP『PARADISES RETURN』はリフレッシュした4人の心情を瑞々しく記録する現在進行形の一枚に仕上がっています。
この4人でやる意味
――ウタさんはもともとPARADISESにどういう印象があったんでしょう。
ウタウウタ「“TWINKLE TWINKLE”のMVを観たらみんなめっちゃキラキラしていて、明るい曲が多かったから、いままでWACKになかったことをコンセプトにしてやっているのかなって思って。自分はそういうタイプじゃないから、〈うわ、眩しい!〉ってなってました」
――ナルハワールドさんとキラ・メイさんはWAgg時代の同僚でもありましたが、他のメンバーと接してみてどうでしたか?
ウタ「オーディションをやるまでユユちゃんや月ノさんがどういう人かも全然わかんなかったんですけど、話してみたら意外とMVとかのキラキラした感じじゃなくて。月ノさんは意外と口悪いし(笑)、ユユちゃんとはオーディション内でペアを組んだのでいっぱい喋ったんですけど、長くWACKにいていろんな経験があるので、考えていることをいっぱい話してくれて。WAggは同期ばっかりで先輩と深く喋る機会もなかったし、WAggとの考え方の違いを知れたのが大きかったです」
テラシマユウカ(ユユ)「最初は控えめな子なのかなって思ったんですけど、WAggのライヴを観ても毎回違う顔を観せてくれるっていうか、変化を感じる子で、意外とそうじゃないかもって思っています(笑)。笑顔にも凄い惹き付けられるし、オーディションを通してウタの良さがさらに引き出された感じがして、この先ももっと光る部分がどんどん見えてくるんやろうなって」
ナルハワールド「たぶんオーディションを通していちばん変化があったのがウタちゃんだなって思いました。活動に前向きになって、一緒にパフォーマンスしている時も自信に溢れた顔で楽しそうにライヴしていて、それを観てめちゃくちゃ嬉しかったし、PARADISESに合ってるなって思いました」
――ウタさん昇格と同時に月ノウサギさんが半年間WAggにレンタル移籍となりましたが、この展開をどう受け止めましたか?
ユユ「月とはPARADISESが始まった時からいろんな話をしてきたし、2人で引っ張っていく役割を担うことが多くて。でも私と月でまたやり方が違うっていうか性格が真逆で。月は先陣切るタイプなんですけど、たぶん私は全部やりすぎないように気をつけて後ろから押すタイプで。それでも月が全部やってくれちゃうところもあったんで、他のメンバーが責任感を高めるという面に関してはPARADISESの成長に繋がると思います。あと、オーディションを通じてWAggと意識の違いとかを感じることもあったので、その意味ではWAggも良い方向に行くための移籍だと思ってます」
キラ・メイ「月ノちゃんはオーディション中も全体に目を配ってやってくれていた感じはあって、そこに頼りすぎてしまってた部分もあったので。月ノちゃんがWAggに何かを起こすのも一個の意味だとは思うんですけど、この4人のPARADISESで何をやるかが大事で、漠然とした表現になるんですけど……月ノちゃんが持ち帰るものと4人で作り上げたものが掛け算になって化学反応を起こして、大きいものを生み出さなきゃいけないなって思ってます」
――GANG PARADEではカミヤサキさんがBiSにトレード移籍した時期もありましたね。
ユユ「私はサキちゃんのトレードを経験してるんで、予定通り帰ってくる前提でいちゃダメだなって思ってます。そんな甘いものじゃないし、そういう心持ちでいると終わるなって。〈月ちゃんが帰ってきて完全体になるんだね〉みたいな声も見るんですけど、〈じゃあ、いまは不完全体なんだ〉って、そう捉えちゃうんですけど」
――わかりますよ。
ユユ「正直めっちゃ悔しいんですよ。〈この4人でPARADISESだ〉〈完全体だ〉って思わせないと行った意味がないし。いまの4人で普通にやっているところに月が帰ってきても〈何の移籍やった?〉ってなりますし、そこはもっとシビアに意識しておかないといけないなって。ちゃんとここで良いものを作ってから、その後でまた良いものを作るっていう、やることは2つあるなって思います」
――何年か前に同じような話をしましたね(笑)。
ユユ「だから、私はあんまり驚かなかったです(笑)。渡辺(淳之介:WACK代表)さんがPARADISESの未来をいろいろ想像しての判断やと思うんで、凄いスピードでこの4人のPARADISESを作り上げて、その想像を超えた形で終わらせないと上には行けないなって思います」
――年明けから4人での活動が始まって。
ウタ「PARADISESになって、練習やライヴに対しての意識とかもそうだし、前段階の準備のところから時間の使い方も考え方も全部ちゃんとしているなって思いました」
ユユ「4人で改まった話し合いをするっていうより、WACKツアーも始まってウタが正規グループのメンバーとしての意識を感じていると思うんで、そういうことをウタと2人で話すことが多いかもしれない」
――先日のWACKツアー横浜公演での初ライヴはいかがでしたか?
メイ「ホントに率直な感想としては、めちゃくちゃ楽しかったです。それまでの4人とこの4人とで、楽しみ方とか楽しんでもらい方は変わってなくて、でもウタちゃんが入って歌声もユニゾンの響き方とかも全然変わって、それが凄い良かったって言っている人もいて嬉しいなって思いました。ライヴ中は自分の中で盛り上がって〈うわ~、楽しい〉っていう感情だけでいっぱいになるんですけど、後から写真とか見るとみんなが楽しんでいた様子もわかって、ウタちゃんがニコニコ笑顔でやっているのが嬉しかったです」
ウタ「緊張したんですけど、何も考えずに楽しいなって思ってライヴできたのが良かったです。不安なところがあったら〈次はあの曲だから……〉とか焦ったりするんですけど、そういうのがひとつもなかったから、楽しくできました(笑)」
ナルハ「この4人でのお披露目が今年初のライヴでもあったので、凄い良いスタートを切れました。終わった後でも楽しかったっていう感情が凄かったし、PARADISESとしてちゃんとパフォーマンスできたなって。凄い良かったみたいな声も後からたくさん見て本当に嬉しかったので、ここからもっと良いものを作っていきたいなって感じました」
ユユ「ウタが入ったタイミングでWACKツアーを回らせてもらって、私たちのことをよく知らない人にも観てもらえるのは、めっちゃチャンスやなって思っています。PARADISESってまとまりが凄くあって、それはめちゃくちゃ良い面でもあるんですけど、一人一人の個性も尖ってたらもっと良いもの観せれるのかなと思っていて。だから、まとまりすぎないように個々も力をつけていかなきゃいけないのかなっていうのは、初日の動画を観て感じました」