初日の出よりも早く再集結した勇者たちは終わらない旅の続きへ踏み出した――幾多のピリオドを越えた2022年、待望のニュー・シングルが全身で愛を叫ぶ!

 あのときから止まってた時計の針は――2022年の元日、朝刊に全面広告で躍る〈パレエドは続く〉の言葉で元日に動き出しました。2020年3月にGO TO THE BEDS(以下GTTB)とPARADISESに分裂し、長らく活動を停止していたGANG PARADEが再始動。昨年5月には創始者カミヤサキを送り出す中野サンプラザ公演〈FOREVER GANG PARADE FOREVER〉で一時合流し、10月には両グループの総員を交換トレード、12月にはスプリットEP『G⇔P』を発表……と2つの流れが交わる予兆はありましたが、結果的にはメンバーにもサプライズする形で復活を告知し、その翌日に再始動ライヴを行うという急転直下の幕開けもこのグループらしいのかもしれません。そして、帰還を告げるファンファーレのような待望のニュー・シングル“PARADE GOES ON”がいよいよ完成。ズラリと並ぶメンバーたちに話を訊きました(取材は1月末日に行いました)。

GANG PARADE 『PARADE GOES ON』 ワーナー(2022)

 

全員で一緒にやる未来

――元日の再始動から1か月ほど経ってみて、現状はいかがですか。

ユメノユア「懐かしさと新鮮さがありますね。やっぱり思い入れがあって歌い続けてきた曲だったり、遊び人(GANG PARADEファンの総称)にまた会う機会をいただいて、そこに関しては昔を思い出しながらも、でもメンバーが新しく3人加わってくれて、歌割も新しくなったり、新曲もあったり、新鮮な部分が多くて刺激的です。毎日が脳みそフル回転って感じ(笑)」

ヤママチミキ「2年間ほぼギャンパレやってなかったけど〈意外と覚えてるな〉みたいなのとか、〈あ、あの時のライヴでこの曲はこういう感じだったな〉みたいな感覚がふと降りてくる時もあれば、また違った新しいギャンパレのひと筋の光みたいなものが見える感じもあるというか。まだこのメンバーで形を作れたわけでは全然ないので、まだまだホントに建設途中の、基礎の基礎を作っているぐらいの感覚です、いまは」

キャン・GP・マイカ「分かれて活動していた時は人数も半分ぐらいだったので、あんまり固く決め込まないスタイルでやってきたんですけど、やっぱりギャンパレのこの軍隊感には懐かしさがある(笑)。ライヴをしていても、メンバーといる日常でも、大人数ならではのことがたくさんあるのは懐かしいです」

ユア「まだ1か月だからね。あの激動の日が1か月前ってことに驚くけど(笑)」

――発表の仕方はサプライズだったと思うんですが、とはいえ、再始動する予感みたいなものはあったんでしょうか。

テラシマユウカ(ユユ)「そうですね。やっぱり去年は2グループの絡みが多くなって、みんなちょっとずつ感じていたと思いますし、旧PARADISESの4人でも可能性について喋ったりしてはいました。でも、こんなに早くその時が来るとは思わなかったです」

ココ・パーティン・ココ「うん。それは旧GTTBの6人でも話してましたし、スプリットEP『G⇔P』を出すタイミングだったり、トレード自体も変化のひとつとして〈おやおや?〉って思ってはいたんですけど。実際に何かあるのはもっと先のような気がしていて。この元旦にガラリとこうなるっていうのは誰も予想してなかったんじゃないかな」

――遡れば去年3月のWACKオーディション合宿の際に、ココさんユユさん月ノさんの3名でギャンパレの“pretty pretty good”を披露する機会がありました。その時点ではどう捉えていましたか?

ココ「私も去年の合宿の時は再始動の可能性が頭を一瞬よぎったんですけど、でも、5月にサキちゃんとの中野サンプラザ公演が決まっていたので、それもあるのかな、っていう」

月ノウサギ「その時は再始動っていうよりかは、〈あの頃の気持ちを思い出せ〉っていう意味なのかなって捉えていて」

ココ「いま思うと伏線みたいだけどね。やっぱり濃厚になったのは、去年の12月にGとPのコラボという名目でレコーディングした時で、それが今回の“PARADE GOES ON”になるんですけど、ギャンパレに戻る未来は存在するんだってそこで確信しました。正直、私は分かれたままで続けていく可能性も高いと思っていたんですよ、途中まで」

――戻らない可能性も考えていた?

ココ「時期にもよりますね。最初の頃は戻る目標で進んでいるつもりだったけど、1年半ぐらいかけてGTTBで重ねていくものがどんどん多くなって、ベビも加入して、中野サンプラザで自分の中のGANG PARADEに区切りをつけて完全に切り替えたからこそ、〈戻りたい/戻りたくない〉とかいう意思の話じゃなくて、腹を括った自分がいたっていう感じ。たぶん人それぞれ時期とか度合いは違うけど、みんな各々のグループに集中していたと思います」

月ノ「うん。でも“PARADE GOES ON”の歌詞をいただいた時点で、前々からの予感が確信に変わって、そこから私はもうGとPのメンバー全員でやる未来を見据えていかなきゃいけないなっていう気持ちになっていました」