バンド経験もあるイシグロキョウヘイ監督の初オリジナル作は、〈音楽〉が物語のカギを担うだけにサントラも充実の内容に。agraph名義でもお馴染みの牛尾憲輔による劇伴は、室内楽とエレクトロニカを織り交ぜた楽曲が中心で、粒立ちの良い電子音がサイダーの泡のよう。never young beachらしさ全開の主題歌、大貫妙子が書き下ろした70年代のウェストコースト・ロック風の劇中曲を含め、懐かしさと新しさが同居した一枚。