アニメ関連の良盤を今月は出張便でお届け!

牛尾憲輔 ブギーポップは笑わない KADOKAWA(2019)

後人にも多大な影響を与えたライトノベルの金字塔が、20年近くを経て2度目のTVアニメ化。昨年の「リズと青い鳥」仕事も記憶に新しい電子音楽家が担当した劇伴は、本編の持つミステリー/ホラーの要素を引き立てる謎めいたエレクトロニカから、物語を一気に動かすエモーショナルなテクノ~ハード・ミニマルまで、憂い交じりの優美な音世界へ惹き込まれる一枚に。 *土田

 

VARIOUS ARTISTS TVアニメ「上野さんは不器用」Ending Theme Songs コロムビア(2019)

天才発明家だけど恋心は空回りな上野さん(CV:芹澤優)が歌う、「上野さんは不器用」のエンディング・テーマ集。普段と比べると少し平板で低音を効かせたキャラとしての歌い方が新鮮で、そのユル可愛い感じがロックにもエレポップにもマッチしている。田中(CV:田中あいみ)と山下(CV:影山灯)も交えたフレンチ・ジャズ曲が良い! *北野

 

Gothic×Luck Starry Story EP ビクター(2019)

「けものフレンズ2」でデビューした新人声優、八木ましろと菅まどかによるユニットのファーストEP。まっさらで清らかな歌声が最大の魅力で、同アニメのエンディング曲となる、じん提供のほんのりディスコな友愛ソング“星をつなげて”、佐藤純一(fhána)によるロマンティック極まりない“きみは帰る場所”は共に名曲。ANCHOR、RIRIKOらも参加。 *北野

 

Wakana Wakana ビクター(2019)

元KalafinaのWakanaによる初のソロ・アルバムは、先行シングル“時を超える夜に”などのクラシカルな美声を活かした壮大な楽曲を中心に、武部聡志や安藤裕子らを作家陣に迎えた品格たっぷりのヴォーカル集となった。大人の別れを描いたアーバン・ミディアム“瑠璃色の空”のような、グループ時代には聴けなかった歌謡テイストのナンバーも光る。 *北野

 

鈴木慶一 劇場版「若おかみは小学生!」 スピードスター(2019)

昨年に公開されて異例のヒットとなった劇場アニメのサントラが到着。鈴木慶一による劇伴は、子供向けの作品ということもあってか、明快なメロディーと時おり和テイストを挿んだ柔らかなアレンジがわかりやすく耳に馴染む作風に。また、主演の小林星蘭がエフェクト声で歌うテクノ・ポップな劇中歌“ジンカンバンジー ジャンプ!”も待望の音源化! *北野

 

TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND MUSIC FOR ANIMATIONS ランティス(2019)

今年で結成25周年を迎えるトリオが、アニメ/アーティストへの提供曲やそのセルフ・カヴァーなどから成るベスト盤を発表。テクノ・ポップからメタル、ファンク他ジャンルレスに展開する外仕事の一方で、新曲“ORB”では未来的なテクノを披露。壮麗な広がりを見せる電子オーケストレーションに、自身の基盤もくっきりと。 *土田

 

七花少女 花咲キオトメ ビクター(2019)

アプリゲーム〈Tokyo 7th シスターズ〉より、メイン・ユニットである777☆SISTERSの妹分の7人組がデビュー・シングルを発表。いつか花咲くことをめざして可憐な声を重ねる春先ポップな表題曲、ふと気付いた恋の芽吹きの切なさを流麗な4つ打ちに託した超美曲“スノードロップ”と、新人の初々しさを巧みに表現した新人らしからぬ完成度のナンバーが揃っている。 *北野

 

Ci+LUS TRICK ビクター(2019)

山崎エリイと田中美海がキャストを務める〈Tokyo 7th シスターズ〉発のデュオによる2枚目のシングル。ポーカーをモチーフに恋の駆け引きを華やかなビッグバンド・サウンドに乗せて歌っているのだが、二人の完全無欠なスウィート・ヴォイスを聴いた瞬間に即フォールド。さらに追い打ちを掛ける仲睦まじいシャッフル曲“空色スキップ”でもう骨抜きに。 *北野